【USA話】盗撮じゃありまへん!
そう言えば、USJにおいらを釘付けにする面白いお兄さんがいた。『JAWS』のアトラクション横にある大きなサメの模型のところで、記念写真を撮ってくれるお兄さん…。とにかく異常にテンションが高かった。満面の笑みを浮かべたそのお兄さんは「はい、チーズ!」の掛け声の代わりに「はい!ジョーズ!」といってシャッターを押す。さらに、シャッターを押したアトになぜか「ギャァ!」と体をのけ反らすというパフォーマンスのおまけ付きだ…。しかも、『JAWS』のアトラクションに訪れた人は、せっかくだから記念に…と言うことでほとんどの方がここで写真を撮っていくため、いつも長い列ができている。その一組、一組に 「はい!ジョーズ! ギャァ!」をすごいテンションでやり続けている。「はい!ジョーズ!ギャァ!」「はい撮りますよぉ~!はい!ジョーズ!ギャァ!」「いいですかぁ!はい!ジョーズ!ギャァ!」「並んでくださいねぇ~~!いきまぁ~~す。はい!ジョーズ!ギャァ!」とにかくいつこの場所を通っても 「はい!ジョーズ!ギャァ!」いつ見ても「はい!ジョーズ!ギャァ!」あまりに可笑しくなって“はい!ジョーズ! ギャァ!”…を記念としてビデオに収めたくなった。…が、「はい!ジョーズ! ギャァ!」なんかを撮ろうとしている自分が何となく恥ずかしくなり、身を潜めながらまるで盗撮のようにコソコソと撮る格好になった。なのに、コソコソしながらもシッカリと小声で実況を入れた…。「さぁ、お兄さん…カメラを構えたぞ…。出るか…出るかぁ…。…出たぁぁぁ~~~!!お決まりの “はい!ジョーズ! ギャァァ”だぁ~!! すげぇぇ~~!今回もテンション高ぁ~~~~い!!」…なんて感じで、独り興奮しながらコソコソとビデオを撮っていたのだが、ビデオを撮り終えて、満足感いっぱいの顔でフト振り返ってみたら、『JAWS』のアトラクションの入り口に立っているスタッフのお姉さんが、そんな怪しげなおいらを見て笑っていたのである…。盗撮を見られてこっちが「ギャァ!」である…。お姉さんにとっては『はい!ジョーズ! ギャァ!』…より『ニヤニヤしながら盗撮するさる』の方が面白かったのだろうか…。背中を丸めて、顔を伏せるようにその場を立ち去った次第である…。