OPECもASEANも東アジア首脳会議もみな温暖化対策へ
日経新聞によれば、化石燃料である石油産出国も、これからの大量消費国であるアジアの新興途上国も資源・エネルギー・環境問題や温暖化問題を認知し、認識し、共有する段階に入ったようである。11月18日に開幕した石油輸出国機構(OPEC)首脳会議(12カ国)では、環境や地球温暖化対策が主要テーマとなったという。原油を含む化石燃料の燃焼によって生じるCO2の排出など環境面にOPECが配慮していることを消費国に訴え、生産国としての責任を果たそうとしているという。「リヤド宣言」の骨子は以下の通りだという。1)エネルギー市場の安定と環境保護を追求2)CO2の封じ込め技術により化石燃料の消費 で生じる負荷を軽減3)石油の安定供給を確約し。 気候変動を巡る国際社会の懸念を共有4)生産国への影響を考慮に入れた 包括的な気候変動対策を要求5)石油の生産国と消費国の協力を損なう 方策や法制度に反対6)消費国に生産国への市場開放促進を要求7)競争力のある石油価格と安定収入を追求東南アジア諸国連合が11月20日にシンガポールで開く首脳会議で地球温暖化を抑制するための宣言を発表するという。これと、シンガポールで開かれ、21日に地球温暖化に関する特別宣言の最終案を明らかにしているアジア大洋州の主要16カ国による東アジア首脳会議はたぶん同じものをさしていると考えられるが、1)温暖化ガスを吸収する深林面積を 「2020年までに1500万ヘクタール以上拡大する」 と明記するという。2)「エネルギー効率を30年までに25%改善させる 数値目標」も盛り込んだという。 ただし、効率目標設定にインドが強く抵抗し、 調整はぎりぎりまでつづきそうであるという。3)特別宣言最終案では地球規模で温暖化ガス削減に 緊急に取り込む必要性を協調しているといい、 参加16カ国全体の数値目標を盛り込んだという。2007年9月にシドニーで開いたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議では1)森林面積を約2000万ヘクタール拡大2)エネルギー効率を2030年までに25%改善させると合意しており、米国や中南米諸国をさしおいて目標を立てている。省エネの数値目標は拘束力ないものの、世界5位の温暖化ガス排出国のインドが設定に難色をしめしているといい、京都議定書に続く13年以降の温暖化対策の新たな枠組み(ポスト京都議定書)に関する交渉で、大排出国の米国や中国と共に動向が注目されるという。いずれにせよ、OPEC, ASEAN,APEC,などと、先進国だけに温暖化の責任を押し付けてきた諸国が、それぞれの国々の事情は背景にあるものの、地球温暖化と資源・エネルギー・環境問題を認知し、認識し、共有せざるを得ない段階に既に至っていることが確認されたと言える。