牛海綿状脳症(BSE)と生産者倫理
昨今、アメリカ合衆国からの牛肉輸入再開において、BSE危険部位の混入が問題とされ、輸入が中止されている。これは、アメリカ等の検査機関の怠慢でもあるが、そもそも、検査する前に、生産者が危険部位を混入させたが故にこのようなことになったのである。要するに、生産者倫理の欠如である。このようなことは、無農薬野菜と称するものや、ワインや、賞味期限など、私達をとりまく食料品全般にわたって、同じようなことが考えられることを暗示している。いくらユビキタス社会になって、ICタグをとりつけ、生産者情報を開示しても、生産者倫理が働いていない状態では、意味がなくなる。生産者倫理を広く考えると、企業倫理や技術者倫理に展開される。ライブドアーの企業情報の虚偽申告や、耐震強度偽装問題なども、こうした、生産者倫理・企業倫理・技術者倫理党等と呼ばれるものが、信頼性を欠いている事によるといえよう。様々な情報の開示が行われることの無かった、情報社会以前の社会では、このようなことは封じ込められていたのかもしれないが、情報社会の進展が、このような倫理一般をますます要求することになるだろう。