東京タワー オカンとボクと、時々、オトン★★★★★
自分でもびっくりするくらい映画館で泣いた。技巧的にはそんなにすごい映画ではないが、内容が良い。リリー・フランキーが亡き母への思いをつづって書いたというが、癌という病気に向き合う人たちの思いがリアルに伝わってくる。 個人的な話であるが、私の母も癌にかかった人であり、約5年間闘病した。私が仕事で関東の方に出ており、忙しくてなかなか会えないうちに病気はどんどん進行していた。 3年前に母がこっちへやってきたのだが、どんな思いで来たのだろう。新幹線を使えばよいというのに節約などと言って18キップで12時間乗り継いでやってきた。 その後、母は足に癌が転移し、最後は寝たきりを余儀なくされたのだが、この映画はたまたま私たちの境遇に似通ってたところもあり、見ている間ずっとつらかったことを思い出していた。どういう偶然か、この年、不思議と私たちのところにも春に雪が降ったのである。どうにも涙が止まらなかった。