『カリスマ体育教師の常勝教育』 原田隆史
★「人間は、自分のイメージより上にいくことはありません。」(p50)★「心というのは難しいことへの挑戦ではなく、できることの継続で強くなる。」(p140)★「できたという有能感、できそうだという統制感、自分は受け入れられている という受容感。こうした思いが強まればやる気も高まってきます。」(p186)★「長期目標設定は<これで完成した>と思って そこで終わってしまうのが一番こわいところです。」(p242)【サラっとく?】●大阪の荒れ果てた松虫中学校に赴き、「陸上の全国大会で優勝できなかったら 学校をやめる!」という宣言のもと、決然と教育現場に臨んだ著者・原田隆史。 結果、陸上の個人種目で13回もの日本一を輩出し、それは「松虫の奇跡」とまで うたわれるようになります。●どうしてこんな奇跡が可能になったのか、その驚くべき指導法をまとめたのが本書です。 原田氏は「教育陸上」ともいわれる、独自の指導方法を築くにあたって「経営手法」と 「メンタルトレーニング」から多くを取り入れたといいます。●前者については、経営者の勉強会に参加し「マネジメント」の概念やテーマを学び、 後者については、あらゆる優勝者や成功者を研究したといいます。結果わかったのが ゴルフのタイガーウッズ、オリンピックの金メダリストなど…あらゆる成功者には 「強い勝利意識」と「高い目標設定」という2つの特徴が共通しているということ。●その結果生まれたのが、本書付録の「長期目標設定用紙」。ぜひその目でご確認を。 親や教師、あらゆる教育関係者はもちろんの事、企業のマネジメント層や、部下を もつ上司、また自身を高めたいあらゆる社会人に対してもお奨めの1冊です。【突っ込んどく?】●「長期目標設定は<これで完成した>と思ってそこで終わってしまうのが 一番こわいところです。」(p242) 名著『ビジョナリー・カンパニー』の中でも 述べられている「目標達成症候群」なるものです。●企業においても、高い長期目標を掲げている間は大きな成長を遂げられるけれど、 それを達成する前に次なる目標を考えておかないと、<完成した>と思うと同時に 自己満足による無気力状態に陥ってしまいます。フォードがその最たる例ですね。●自動車を大衆商品にするという大胆な長期目標のもと、大躍進を遂げたフォードも、 それを達成した瞬間に新たな長期目標を定めることなく自己満足に陥って しまいました。そしてその後は、「フォードを抜く」とう大胆な長期目標を掲げた ゼネラル・モーターズ(GM)に追い越されるがままになってしまいました。●これはもちろん個人においても当てはまることですね。また、以前も述べたように 「世の中は、きみの目標が達せされるまで、じーっと待っていたりしない」んです。 大胆に目標を掲げるという勇気と、常にそれを時代に合わせて変えていける柔軟性、 この2つを持ち続けたいものです。オススメ度★★★★☆→・子供の教育やしつけに自身を失っている親 ・教育現場を変えたいと切望する方 ・自分の力を最大限に発揮したい方