フィルムカメラを使うということは
クルマでもそうですが、モノを持つことは何かとお金が掛かります。買うと高いが売ると二束三文です。この事実は変わりません。私のようにデジタルカメラなど無い頃から写真を撮ってカメラもレンズも持ち合わせていると、機材を売り払う事無く,更にはカメラバカとして「OMシリーズ全部揃えちゃえ」などとついつい更なる機材を買ったがために夥しい中古品が家に溢れかえる辺り「愚か」の一言です。さて、機械というモノはただ保管していてもいけません。適度に動かさないと壊れます。使いすぎても壊れるし、普通に使っていても整備が必要になる時はやってきます。整備して性能を維持できるものもあれば、整備しても性能は落ちてくるモノもあります。昔、日本刀が綺麗に保管されているのを見て管理者に「どうして百年以上前の刀が今もこうして姿を残しているんですか?」と聞いたことがあるのですが、その答えというのが「こういう刀というモノは当時の権力者がお金を掛けて残しているので,今も手間を掛けた分残っているんですよ」ということでした。やはり手間を掛けた結果なんですね。その影で手間を掛けなかった物達が朽ち果てていたんだろうな・・と。一般庶民の造った素晴らしい物などあったとしても今は塵芥となっているのでしょう。歴史を物語る当時の文書などもありますが、権力者の文書は残る一方で庶民の残した資料は捨てられても居たのでしょう。そうなると歴史上の資料は随分と偏った資料で構成されてもいたりして。今回フィルムカメラを何台か売却しました。事前に中古カメラの買い取り価格相場を調べましたが価格の高いカメラはニコンFが出る前のSシリーズなどカメラが超高級品で台数も少数だった頃のカメラだったり、プロ使用のカメラだったりします。キャノンAE-1といった庶民向けカメラはお金を掛けて修理や整備などする人も少なく(壊れたら買い替える)そこそこに台数も流通していますから調子の悪い個体が山のように出回っているということです。今デジタルカメラが当たり前になっている世の中で、わざわざフィルムカメラを買う人は少ない・・ということでカメラ店でも故障(クレーム)リスクのあるフィルムカメラの在庫を抱えず,ヤフオクといったオークションで苦情返品を受け付けない売買が主たる購入先となってしまいました。ライカ辺りになれば整備済であることに付加価値がありカメラ店での販売も成り立ちますが、庶民向けカメラになってくると整備済で高い値段で買うより安い値段で取りあえず買って「壊れたら使い捨て」となるのも致し方ないかと。実は、私が使っているカメラ尾のある一台であるキャノンNewF-1、調子の悪いところがあって今回修理することになりましたが、修理代金とNewF-1中古相場は一緒でした。さぁ、この場合、買い替えるのが良いか?修理するのが良いか?私は修理を選びました。普段使っていますから悪いところさえ治れば信用できるんですね。ここでもう一つの選択、「手放す」もあります。出費が無くなりますから。フィルムの色合いを楽しむ。カメラを操作することを楽しむ。そこに見返りを求めなければフィルムカメラを使い続けられるでしょうが、出費に疑問を感じたりするのであれば・・・それ以上沼にはまらないのが正解ですね。