日本では一度だけだった
日本で行ったのは一度だけだ。飲んで絡んで連れて行かれた警察署、とかの話ではない。因みに、父が警察官だったので、小学生の頃は剣道を習いに警察署へ行っていたが、普段はあまり行きたくない所ではある。ところで、面と向かって話すときには、「警察官!」とは言わない。または、言えない。言ったら怖い。先生に向かって、「教師!」と言わないのと同じか。実際には、「お巡りさん。」というだろう。面倒くさいときは、「すみません」で済む。弟は兄に向かって「お兄さん」というが、兄は弟に向かって「弟!」と言わない。どうしてだろうか。こうして、話がどんどん横道にそれる。会社では、課長に対して「課長」というが、課長が平社員に対して「社員」とか「平社員」とかは言わない。もうやめにしよう。一度だけ行ったことのがあるのは、実は選挙のことだ。もうすぐ、衆議院議員選挙の在外選挙がある。外国にいる日本人には、ある期間を決めて先に投票させる。日本では選挙に行ったのは後にも先にも一度だけ。東京都知事選だった。ところがこちらでは毎回行っている。一体、これは何なのだろう。日本的なものへの参加に事欠いて、それで選挙の皆勤賞か。因みに、私が行ったのは1979年の都知事選で、危機を感じて社会党系の太田薫さんに投じたが敗れた。「俺なんか、日本じゃ一度も行ったことないけど、こっちじゃちゃんと行ってるよ。」同世代の移住者Hさんも言う。私だけじゃなかった。遠く祖国を離れ、日本に対する思いが募りそうするのだろうか。海外移住者が、日本にしっかりと関われる僅かな一票だからだろうか。まっ、あまり深いことは考えずに、日本が少しでも変わることに期待して、やはり清き一票を捧げに行くことにする。下の箱をポチッとクリックお願いいたします