残された日本の日々
「お父さん、これ下ネタよ。どう?」もうすぐ82歳になる母が、これまた間もなく85歳になる父に食卓を囲みながらそう言った。この年になってもまだネタが尽きないのかなどと思ったわけではないが、指差しているものを見ると、それはネギ料理のことだった。草津温泉2泊3日の旅も終わり、途中のサービスエリアで買ってきた「下仁田ネギ」のことだった。私のオヤジギャグの原点をみる思いがする。標高,1,000メートルを超える草津は、21日の夜から雪になった。例年より1ヶ月も早い、迷惑な最終日となった。朝、車に積もった雪を払いの除くのに一苦労。路面の凍結にタイヤチェーンもなく冷や冷やの運転だったが、山を下りると快晴だった。母と入るわけにはいかなかったが、足の不自由な父と何度も温泉に入れたのも良かった。子供の時、頭をしっかりと洗ってもらった父。今度は、その父の頭をしっかりと洗った。毛がほとんどない父の頭は割りと硬かった。仕事の方は、メルボルンで会社を守ってくれる心強い社員達がいてくれるお陰で、こうして一時帰国ができた。嬉しい限りだ。また会社を卒業していった元幹部社員たちもカラオケの宴で歓迎してくれた。タコ社長をやっていて本当に良かったと思う。あと何度両親と一緒に僅かな時を過ごすことができるかどうかは分からないが、いつも小さなことで喧嘩もし合いながらも元気にやっていって欲しいと願っている。持参した血圧の薬あと二錠