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カテゴリ:音楽
いよいよ7月も最後の日。いや、本当にもう暑いです。
この時期、練習はもっぱら教室で。 (冷房が効いていて防音ですから天国です) 今や 学校の宿題とは縁の無い生活ですが 何かしら、目的を持たないと演奏能力が落ちますので この夏は ベートーヴェンも弾くぞ!と決めました。 (暑いので バッハとドビュッシーと思っていましたが そういう曲ばかり弾いていると筋力が落ちます。 ベートーヴェンはやはり筋肉の使い方が違う。) とりあえず、初期のと後期のと一つずつ。 ところで ベートーヴェンのピアノソナタ 第8番「悲愴」について 字面からしてすごいタイトルですが 思えば「悲愴」は日本語訳です。 何も疑問に思わずにきましたが そもそも 悲愴と訳された「Pathetique」ってどういう意味? と 素朴な疑問がわきました。 国語辞典で「悲愴」を引くと 『悲しみで心が痛めつけられるような感じを抑えることができないこと』 と あります。 ドイツ語で意味の近そうな「pathetisch」 感情のこもった 熱を帯びた 荘重な 崇高な 大仰な イタリア語 「pathos」 情念 哀感 哀調 「patetico」 哀れをさそう 痛ましい 涙もろい 愁嘆場 フランス語 「Pathetique」 悲壮な 悲痛な(苦痛・憐憫・恐怖・悲哀) 愁嘆 感傷的 ベートーヴェンのタイトルはフランス語らしいですが ベートーヴェン自身はドイツ語圏の出身ですしねえ。 1楽章の雰囲気は 冒頭は「痛ましい」感じがあるものの その後のテーマは そんなに暗いイメージはなく むしろ ノリノリで勢いのある印象ですので ドイツ語の 「感情のこもった」「熱を帯びた」という方がしっくりくる感じ。 悲しい感じも、演じた「愁嘆場」かなあ、と。 もっともベートーヴェンはまだ28歳前後 (昔は1798-1799年の作曲とされてましたが 最近の研究では1797-1798年が有力らしいですね) そうか、私より若いのねー と思うと 演じる悲愴ではなく、本当の悲哀なのかなあ と思ったりもします。 そろそろ聴覚異常に気付き始めた時期でもありますし。 学生の時の感じ方と 今の感じ方がこれだけ変わり これからまた何十年か後に(弾けるでしょうか) また違う印象を持つのかもしれないなと ちょっと楽しみでもあります。 (注) Pathetique Sonata: 告別ソナタと共に「ベートーヴェン自身が付けたタイトルである」 というのは 母校の音大で講義をされた先生の研究著書による情報でして 2年前の出版後、特に訂正された様子は無いため 一応 ベートーヴェンの意思通りのタイトルであろう という判断で記事を書いております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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