藤原歌劇団「ランスへの旅」
ゼッダが昨年のチェネレントラに続いて指揮するというので楽しみでした。そして実際、御大の音作りはすばらしかったです。とにかく緩急流れが心地いいですねぇ~歌手を引き立たせることに徹する、でもリードも忘れない、歌手が疲れたかなぁというときのフォローがお見事としかいいようがない!手綱捌きにただただ平伏です。特に14声のコンチェルタートの場面ははスピードそしてオケも含めての迫力がすばらしいと思いました。個々の歌手でいうと、コリンナの高橋薫子さんは最初から最後まで際立っていました、まさに役どおり詩人の歌声です。佐藤美枝子さん頑張ってフォルヴィル伯爵夫人のアリア歌ったし,アリア後半はスピード感も出てたけど、なんか変な手のポーズしながら歌って、背の低い彼女に合わなくて(あきらかに背が高くて手足長い外人がすると映えるような左右腕をそれぞれ斜めに上下に伸ばすポーズ)歌より動きに彼女自身の注意がいっちゃったみたいな印象受けてしまいました。話題のテノールマキシム・ミロノフ、またまたテノールの容姿常識覆す長身イケメンなんですねぇ~ただ今回の声は魂にガツーンと響くような声ではなかった(調子悪かったのでしょうか)音の流れのすばらしさと比べて個々の歌手全体に印象残ったかというと・・・むずかしいかな・・・あと最後に出た子役が扮したシャルル10世はなんだったのでしょうか・・・でもこの演目は歌手を集めることが一番たいへんだけど、だからと言って歌手を集めればできる演目じゃないですね、実際に聞いて実感しました。機会あればまた聞きに来たい演目です!写真はピットのチェンバロと、最初から最後まで木のビーチチェアが並んでいた舞台。幕の上げ下げははなく最初からこの装置が出てました。平成18年10月22日 東京文化会館指揮 アルベルト・ゼッダ演出・美術 エミリオ・サージコリンナ 高橋薫子メリベーア侯爵夫人 森山京子フォルヴィル伯爵夫人 佐藤美枝子コルテーゼ夫人 小濱妙美騎士ベルフォール 小山陽二郎リーベンスコフ伯爵 マキシム・ミロノフシドニー卿 彭 康亮(Kang-Liang PENG)ドン・ブロフォンド 久保田真澄トロンボノク男爵 折江忠道ドン・アルバロ 牧野正人ドン・プルデンツィオ 柿沼伸美マッダレーナ 河野めぐみ東京フィルハーモニー交響楽団藤原歌劇団公演