今の力を。
さて、地区予選・準決勝。この日の相手は、私立T学園高校。全国大会出場経験もある強豪校のひとつです。会場は、思い入れのある早稲田学院高校。ここのグラウンドは背の高い木々に囲まれ、この日みたいな夏空がとても映えるんですよね~。その自然色豊かな空間での、真っ直ぐな高校生たちの熱い熱い戦い。準決勝、うちにとっても熱ーい試合になりました。前日の初戦から、4人ほどのメンバー変更。炎天下での連戦。フレッシュな選手たちの出番です。前半、相手にボールを支配される時間が長く、疲れからミスが重なります。そして一瞬の隙をつかれ、相手FWが抜け出しGKと1対1。失点を覚悟したその時、GK“T君”相手のシュートをナイスセーブ。この試合のターニングポイントでした。後半、少しずつリズムをつかみ、メンバー交代で流れを引き寄せるも、どうしても得点という結果に結びつきません。残り時間約10分。左サイド“N君”からのクロスボールを中央に走りこんだ“U君”、無理な体勢でのヘディングシュート。柔らかな軌道を描いたボールは、GKの頭上を越え、ついにゴール!!!喜びという喜びを爆発させる、ベンチ・応援団・父兄・OB・現役高校生。みんなの感情が強固に結びついた瞬間でした。残り時間の相手の執拗な攻撃を体を投げ出して防ぎ切り、タイムアップ。1対0で地区予選・決勝へ進出することが出来ました。得点を決めた“U君”。前日の試合は、20人の登録メンバーにも入っていませんでした。大会前の怪我が完治しなかったためです。ここまで主力としてやってきただけに、初戦に間に合わない苛立ちは見てすぐにわかるほどでした。この日まわってきたチャンス。今までのU君を知る人にとっては、この日のプレーに対して物足りなさは大きく残ると思います。でも、素晴らしかった。「今の」U君が出せる力は出し切ったから。怪我明けでそんなによくないコンディション。完全に戻ってないゲーム感覚。いつも万全の時の自分と比べて、「今の」自分とのギャップに苦しんだはず。けど、結局やれることって、「今の」自分の力を出し切ることだけなんですよね。それを結果に結びつけたことは素晴らしかった~。やっとの思いで辿り着いた決勝戦。一番苦しい試合になると思いますが、総力戦で勝ち、都大会への出場権を得られるよう、頑張るしかないね。気合いだね、気合い(笑)。やったるぜ~~~。『今日は生きた。 でも明日になれば何が起きるか分からない。』 サッカー日本代表監督・オシム ↓「やらせ」シリーズ(笑) 前日と同じく撮影は3年生“T君”。 ↓なかなかいい写真撮ります