幸運のお近づき。
この日の練習は、緑の芝が綺麗に生い茂った武蔵野陸上競技場。時々使う武蔵野中央公園のすぐ近くにあり、「横河武蔵野FC」のホームグランドでもある、とても設備の整ったグランドです。集まったのは、2・3年生約70人。1年生はというと、この日からしばしのお休み。中間テスト1週間前のためお勉強です。2・3年生も本来は1週間前から出来ないのですが、今週末にインターハイ都大会1回戦があるので、今回は特別にやらせてもらえるっちゅう訳です。たまたま空きが出て借りることの出来た今回のグランド。強豪校との1回戦に向けて、ここ最近の練習がどれだけ身に付いたのか、支部予選に入ってなかったメンバーの調子はどうか、大事なことを見極めるために紅白戦をやる予定でした。が・・・・・予報は、昼過ぎから雨。そしてグランドに着き、準備を始めるとパラパラと降り始め、さらに追い討ちをかけるようにゴロゴロが。雨だけなら問題なかったものの、雷はさすがに危ないということで一旦避難。グランド担当の責任者が来て、 「どうしますか? 予報ではこの後強く降るって言ってますよね。」確かにそうなんだけども諦められない。 「もうちょい様子を見させてもらえますか。 このまま雷が続くようだったら中止にしますので。」それからしばらくは、これでもかと言わんばかりに空を凝視。雲の流れを見て見て見続けて。 せっかく楽しみにしてるんだからやらせたい・・・ 都大会の1回戦に向けて必ずやっておきたい・・・ でも風邪を引かせて体調を崩してしまったら・・・ 予期せぬ雷が落ちて命に関わることになったら・・・いつもは空を見上げて心癒されてるのに、この時は同じ空を見上げてるのに極度の頭痛。空自体が俺を幸せにしてくれるんじゃないんだ。まずは、俺自体が空をどう見てるかなんだ。そう、いつだってそうだった。あれこれ未来のことを考え過ぎては、心は小さく苦しく。大好きな小説「アルケミスト」に書いてあった、この言葉の境地にいつか行きたいもんで。 『常に今に心を集中していれば、幸せになれます。』変えられるものを変える勇気を。変えられないものを受け入れる勇気を。つまり「今」に勇気を。こんな酸っぱいオレンジのようにちっとも熟すことの出来ない俺なのに、神様とやらは運だけは残してくれたようです。雷どころか雨雲自体が通り抜けたのです。それは紅白戦が終わる10分前までの約3時間の間。おかげさまで全員が紅白戦をやることが出来ました。おかげさまで大きな収穫と大きな修正点も見つかりました。さて、あとはうちらがやるだけだ。 『幸運が自分の側にある時は、 それを利用しなくてはいけません。 そしてそれが私たちを助けてくれるうちに できるだけのことをしなくてはなりません。』 「アルケミスト」より