巣鴨とげぬき地蔵通り
「おじいちゃんおばあちゃんの原宿」と称される巣鴨地蔵通り、その一角では育った、と言っても俺が小学生の頃は「おじいちゃんおばあちゃんの原宿」なんて言葉は存在しなかったが賑わっていた4のつく日には縁日があり小銭を握り締めて通ったもんだった。お好み焼き、焼きそばはもちろん、べっこう飴、水飴、ソースせんべいなんかもあったなぁ、お好み焼き屋だけでも5、6軒はあったんじゃなかったかな、夏になるとヨーヨー釣りや金魚すくいなんかあったなぁ、ほくろがとれるという怪しげな薬をうってた出店もあったなぁ、そんな中をチャリで走り回っていた小学生も後半になると人混みが逆にうっとうしい時もあったっけ、でも中学生の頃から縁日も閑散として、日が落ちる頃には店じまいをする出店も少なくなかったそんな中TVで「おじいちゃんおばあちゃんの原宿」として取りあげられるようになった、高校生になった俺に友人が「じじばばくさい」だの「お線香くさい」だのからかわれもしたが地蔵通りがTVで紹介されることは優越感に浸れたいつしか巣鴨はハトバスのコースになり4のつく日だけでなく平日も人が溢れるようになった、ただ通り全体が年齢層高めを対象にした商品を扱うようになっていった先日うちの奥さんに育った街を見せたくて久しぶりに4のつく日に地蔵通りを歩いてみた、ソースせんべいの木製ルーレットで36枚ゲットしちゃおうかな、お好み焼きでも食べよっかな、いか焼きもいいなぁなどと考えながら歩いてみたのだがないソースせんべいやみず飴の出店はもちろん、焼きそばや綿菓子、金魚すくいもないあるのは古着屋や骨董品屋ばかり、見逃したのかと思い、通りを折り返し探したものの唯一お好み焼き屋が一軒、出店だけでなく通ったおもちゃ屋や喫茶店もなくなっている、通り全体が高年齢化してしまっているようだ、子どもたちの姿もあまりなく見慣れない店も増え自分が走り回っていたあの頃との違いになんだか寂しくなったそんな中昔からある店のおやじの姿を見つけてなんだかホッとした今や5年一昔、町も変わっていくけどまた近いうち訪れようと思う。