奇跡の水利施設 都江堰 (世界遺産巡り その30)
日本でも「脱ダム」のスローガンがありますが、世界自然と文化遺産の都江堰はまさにダムではなく、川の断面形状で岷江の主流と潅漑水道の水量を調節します。渇水の季節、川の水の多くが岷江よりも深く掘った潅漑水道に流れますが、豊水の季節、狭い潅漑水道の流量が大きく増えることなく、殆んどの水が岷江に流れます。この水利施設のお陰で、四川省が「天府之国」になりました。宝瓶口 潅漑水道の起点。深く、狭いことが特徴。この島、水面すれすれですが、都江堰が完成してからの2200年余り、一度も水没したことがないそうです。今も水利の専門家に悩ませている泥沙堆積問題、ここ都江堰では、川の曲がり角を利用して泥沙を排出します。潅漑水道に流れた水の中に混ざった泥沙を主流に戻す設計、世界中の水利専門家が絶賛します。2200年が経っても現役の水利プロジェクト、世界でここしかありません。都江堰の秘訣、「深淘灘、低作堰」の6文字です。名古屋の「庄内川」、「新川」等がこれに反するから、大雨の度に氾濫する心配があります。人物が大きく写っていたので、綺麗な写真、アップできませんでした。