雨降り
大陸性高気圧と海洋性高気圧がしのぎを削る中間に、近畿地方がすっぽりと納まり、雨雲が停滞したために、昨夜からぐずついた天気となった。朝のうちだけ、と言っていた天気予報の「雨」だったが、昼過ぎまで降っていたので、午前中のハンドマイクを担いでの宣伝は中止となった。この祭だから、3分間のエンドレステープに、自分の声で「訴え」を吹き込んでみようと思い立った。宣伝カーで移動する間、このテープがあれば時間の無駄がない。流しながらしゃべって、止まってはスポット演説を繰り返すと、結局しゃべり詰めで、声がかれてしまうので、バンド演奏やライブの時に困ることになる。で、早速原稿を書いてみる。ところが、この3分間と言うのが曲者で、原稿のボリュームがまったく分からない。つまり、原稿を読む速さを加減して、3分きっちりに仕上げなくてはならない。テープデッキのカウンターを頼りにおおむねの「感じ」はつかめるのだが、ピッタリというわけではなく、始めと終わりの間に2~3秒の隙間ができると,重ね取りする前の声が残ってしまい、具合が悪い。聞く身になれば、移動中の車から流れてくる声なので、端的に「訴え」なくては伝わらないことになる。かといえ、原稿の棒読みではつまらないし、本位ではない。何のことはない、3分のテープに吹き込むだけで、およそ2時間も費やしてしまった。医療施設の職員が、昼休みの30分間、「小集会」を開いてくれたので、急いで参加。エレベーターが「修理中」とのことで、走って階段を登ると、「休憩が終わるまで、後5分ほどしかないので、・・・」ということで、息を整えるまもなく、挨拶と決意表明を行なった。早口で、聞き取りにくかったであろうと思うのだが、終わったとたんに大きな拍手を貰って励まされた。医療・介護の悪政の現場では、たんにお年寄りがいじめられているだけでなく、こうした医療関係者の、病人を思う心までが踏みにじられていたことに気づかされた一幕である。続いては宣伝カーの助手席に乗り込み、黄色い襷を肩から流す。デイハウスの利用者さんたちがこしらえてくれた襷に、この運転手さんが手書きで文字を入れてくれたものである。3回ほどスポット演説をした後、この襷をかけてデイハウスに寄ると、「たけが短い」「紐はいらないね」「安全ピンでここを留めなさい」「もう一本作ろうか?生地はなんぼでもあるで」と矢継ぎ早。期待の大きさが分かる。会長職を辞して、毎日こんなことをやっているのに、とても温かく迎えてくれる利用者さんたちの気持ちが伝わってくる。「よし!頑張ろう!」という気持ちがまた湧き上がる。いつの間にか雨は上がっていた。本日最後の予定は、午後7時からの訪問だ。