考えていた!
考えていた。 ずっと、考えていた。 ライフプランセミナーを担当するため、いつもの豊田インターまでの20分、東名高速を走らせながら、考えていた。急いで、煽るようにして、すっ飛ばす車がある。また一定速度で安定した走りをする車もある。私は後者だが、しばらくすると、さっき飛ばしていった車がまた追い抜いていった。きっとサービスエリアにでも入っていたのだろう。無駄なことをするなぁ。実は資産運用も同じではないか、と考えていた。デイトレードの如く、一気に攻めてみたり、市場から資金を抜いて、一服してみたり。それで行き着く先は、一体どうなのだろうか? むしろいかなるときも、資金を市場に投入して運用し続ける方が、結局は収益があがるのではないか? しかも大きなリターンを狙って殖やしても、今度は大きな下落相場に見舞われる。複利運用は長期運用で大きく殖やすのに効果的だが、「マイナスの複利」もあるのだ。つまり折角殖やした資金を、今度はマイナスの複利で大きく減少させてしまう。こう考えていくと、収益のブレを抑えた、ある程度の運用利率で、長期に運用し続けるのが王道ではないか。それを可能にするのは、やはり分散投資しかない。国内株式、国内債券、外国株式、外国債券に一定割合ずつ資産配分して、5-8%程度の収益を目安に、安定的に投資し続けるのが結果的にはよいのではないか? そこでシミュレーションである。100万円を4年間、毎年+5%で運用できれば、1年目105万円、2年目110万2,500円、3年目115万7,630円、4年目121万5,510円になる。収益は単純に毎年5万円×4年=20万円より多くなる。これが複利の効果だ。では、1年目から3年目まで毎年+10%、しかし4年目は-10%の場合はどうだろう。1年目110万円、2年目121万円、3年目133万1,000円、4年目119万7,900円となってしまう。折角殖やしたのに、それ全体に下落圧力が加わって、大きなマイナスをもたらした格好だ。では今度はもっと値動きがあって、1年目+10%、2年目+20%、3年目-20%、4年目+10%だったらどうか? 1年目110万円、2年目132万円、3年目105万6,000円、4年目116万1,600円となってしまうのだ。このシミュレーションをみても、変動を少なくして安定的に運用できた方が、あくせくするより結果は良いと出ている。高速道路をそんなに急いで飛ばしたって、サービスエリアで休憩したり、たまにゆっくり走ったりと運転に斑があるようなら、到着時間はそんなに変わらない、むしろ遅くなることだってあるのだ。しかも、交通事故に遭う危険性も高い。安全運転に心掛ける。これは資産運用でも同じではないだろうか?