ご自由に、だけど…
何かと話題の前澤友作氏だが、彼が率いる衣料品通販サイト運営会社「ZOZO」の巨額マネーが、ゴルフ界に波紋を広げているという記事を読んだ。米男子プロゴルフのツアー大会が、来年10月に日本で初めて開催されるが、そのスポンサーとなるという。それはいいが、その賞金総額が何と約11億円だというのだ。金があるところが出すことに異論はないが、共催する日本ゴルフツアー機構は頭を悩ませているらしい。優勝賞金が巨額過ぎて、優勝すれば一発で賞金王になってしまうからである。優勝賞金は約2億円(175万ドル)だが、例えば今季の国内ツアーの最高賞金総額は2億3千万円、優勝賞金5,200万円と比べてケタ違いなのだ。今季は残り1戦となっているが、賞金ランキング1位を走る今平周吾氏の獲得金額は約1億3千万円。年間獲得金額で過去に2億円を超えたのは尾崎将司氏が2回、伊沢利光氏、松山英樹氏、池田勇太氏の各一回の合計5回しかない。もし、この大会の優勝賞金がそのままの額で加算されるとなると、それだけで賞金王が決まる可能性が高いのだ。こんなつまらないことはない。下手なクイズ番組かなんかで、最後の点数が大きくて、それまでの戦いは何だったのかみたいな話である。巨額な賞金が夢の一戦になるという発想かもしれないが、なんとも拙速な感じがする。ご自由に、だけど…なんとも。金を出すなら、その業界のためになる方法を考えないものか。何でも自分が目立てばいい的な発想は、どうかと思う。もっとも、その気がなくても、少し動くだけで目立ってしまう、ということかもしれないが。