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ロドリゲスとらのこども・超克編

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2009.01.25
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カテゴリ:詩歌のようなもの
二十歳の頃にはいっきに駆け上った坂道は、
途中で大きく二度曲がる。

最初の角は、果樹園や墓地の横を抜ける細い道。
夜などは暗い恐い道だが、バス停までの近道だ。

次の角は、高台の公務員宿舎へと続く道。
この先は、コンクリート舗装へと変る。

坂道の左。ちょうど中ほどの横っ腹に、
下の学校から一気に上がる階段がある。

駆け上がれば数分。
ベロベロに酔っ払っていたとき2時間かかった。



坂の上の私の家は、白地にブルーの塗装が映え、
入居したときは、それは光り輝いてみえた。

青雲寮という学寮が、丘の上、
空に突き出て立っていた。200余名が住んでいた。

ぼくたちは、その坂を寮坂(りょうざか)といった。

坂道の両側には、大きな桜がいっぱいあって、
毎年、入学式に彩りを添える。

その頃には、まだあどけない顔の新入生だとか、
晴着のご両親も一緒に坂を上る姿を見たものだ。



今頃、桜のつぼみは未だ堅かろうが、
春のときを、じっと待っているに違いないのだ。

若かったあの頃、登る坂の先が見えなくても
まったく頓着しなかった。

今また、今度は人生のゴールが近づいている。
坂の先が見える。(ような気がする)

人生の坂の途中にも曲がり角がいくつもあった。
今頃になって、ふと振り返る。



寮坂のふもとには住宅地。やがて国道に至る。
寮坂の向こうには、ただ空が広がっていた。

あの頃、ボクはどっちを見ていたんだろう。
そして、今は。。。

記:とらのこども





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最終更新日  2009.01.31 13:58:51
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