オランダで☆中国のセラドンに出会う~
「天空に 羊浮かんで ベーと言い」・・・東風雨雲が、北海からの強風で、すべてドイツに流れ去った秋晴れの木曜日、、締切り堤防を越え、、北の大地、フリースランドにやって来ました~♪ 目的は、そう、、あの柿右衛門さまが絶句した、古伊万里がザクザク眠る、レウワルデン市の国立陶磁器博物館。あと10日で終わってしまう「青磁の特別展」に、ようやく馳せ参じた次第です。オランダの4つの博物館の所蔵品、100点を集めたこの特別展、、2月からやっていたのに、何ともはや・・・↓写真は、1ユーロ(約148円)で購入したポスターです。中国語では、青磁ってこんな風に書くのですね(^・^)ちなみに、ヨーロッパでは、、Celadon(セラドン)。17世紀に実在したフランスの作家が、作中人物の羊飼いの着ていた青い上着をそう呼んだのが始まりで、ヨーロッパで青磁のことを、セラドンと言うようになったそうです。もちろん、青い上着はブルーやグリーンでなくて、セラドン色。 「雨過ぎて天青く雲の破るる処、かくのごとき」と言われたのは、トルコブルー色の天青釉ですが、「雨のあとの海のように青い・・・As green as the sea after a shower of rain」と表現される中国の青磁は、気品に満ちて、それはそれはどんな宝石よりも美しい。さて、6ユーロの入場料を払って、展示室に入ろうとしましたら、、、まず、バッグを地下のロッカーに預けてからね! ↑ あ、ポスターに載った小皿~これが、「秘色」と呼ばれる理想の青磁なのですね。北宋時代(960-1127)、王の為に作られた筆洗い用の小皿だそう。そ、それがどうしてオランダに? と言う疑問は置いといて・・・中国・せっ江省にあった、龍泉窯で焼かれたもの、、と。 (ゴックン)青銅器をそっくり模倣していた漢時代、紀元一世紀から焼き続けられ・・・・・・唐時代に発展した青磁が・・・中国陶磁の黄金時代と呼ばれる宋時代に、頂点に達した・・・で、、その中心にあったのが、龍泉窯。再び、ガラスケースの中をじっくり覗き込むと、、、網の目のように広がる貫入(釉層のひび割れ)と、その間に白く光り輝く小さな貫入が、しっかり、、ある。所謂、世間で言うところの世にも稀なる・・・「二重貫入!」世界でもほんの数10点しか、知られていないのだそうです。 ↑ これは、押型青磁皿でしょうか。深い溝に溜った釉薬が、いい具合に陰影を作り出していますね。メモ用紙に、蘭の花(?)のモチーフを模写しようとして・・・断念。そうだ・・・「すみませ~ん、カタログは買えますか?」「もう、とっくに売り切れてしまっただよ」 「あいや~」(おやまあ、の意)そこで・・・警備のおじさんの笑顔に、勇気を出してお願いしてみました。「それでは、ちょっとだけ・・・写真撮っても良い?」「あふっ、ホントはいけないけど・・・ちょっとだけならOK~」だんだん混んできましたが、他に写真を撮る人など誰もおらず、、やっとの思いで、3枚目を写したのが↓の日本のもの。 6弁輪花の茶托と湯呑セット・・・中国青磁の伝世品ですが、いい仕事してますね。月とうさぎの可愛い押型なんですが、残念ながらよく見えません~日本には、鎌倉・室町時代、景徳鎮窯や龍泉窯のものが多く輸出され、砧、天竜寺など釉色で分類され、茶人・数寄者の間で珍重されたのですね。博物館のサイトで知ったのですが、友好メンバーに登録すると、中国陶磁器窯巡りの旅に参加できるんですって。今年10月の企画は満杯・・・嗚呼、いつかメンバーになって、憧れの景徳鎮に、行きたいものです、、、きっと。本日のおまけこれ、何でしょう? 四方に突き出た、ちょん切れたタコの足の様なものが、、ミソ。