ノコンギク
ここら辺では一番一般的な野菊 ノコンギク導入研修会 第2話 A氏にはホテル一階の中華料理屋で待っててもらっていた。 その辺は繁華街から遠く、適当な飲み屋が見当たらなかったことから、そこで夕飯がてらに飲むことにしたのである。 わしと東海地方の御仁(O氏とする)は、2日前にもそこで飲んだ。 たいして料理は美味くはないのだが、O氏の好きな生ビールと、わしの好きな【田苑・100%貯蔵熟成】のハーフボトルを置いていたのである。 研修会の資料を自室に置いてから1階に戻ってみると、すでにA氏はジョッキーで飲み始めていた。 数分してからO氏がGパン姿で降りてきた。 わしはYシャツと下着だけを持ってきたのに、O氏は普段着も持ってきていたのだ。 わしでさえ、5日分の着替えでトラベリングバック一杯になっていたのに、O氏はさぞかし大きな荷物で研修会にやってきたのだろう・・・・と、言うよりも研修が目的であったのに、普段着を持ってくる必要はあったのであろうか? なにかしらO氏には不純な目的を感じずにはおれなかった。 たびたびどこかにケイタイでメールを送っていたし・・・・ 入社してからこれまでの仕事の内容とか、研修会の話、これからどのような仕事をしていくか。と言った真面目な話から、六本木や歌舞伎町の面白い店のことと言った砕けた話まで、3人で中華料理をつまみにして飲んでいた。 小一時間もすると、外に食事に行っていたのか、歩いて10分ほどにある大型スーパーに買い物に行ってきたのか、研修に参加している女性達が三々五々ホテルに戻って来た。 O氏が、一緒に飲ませようと店の外に出てお誘いするのだが、ことごとく袖にされて戻ってくる。 しかし、その中で、もっとも乗りのいい女性、岡山県のS嬢(本当は違う頭文字なのだが、個人情報保護条例には敏感な我々の仕事なだけにS嬢としておく)が私たちのテーブルに混じってくれた。 S嬢が、同県の男性、M氏を電話で呼びつける。 M氏も本当は違う頭文字なのだが、同様の理由でM氏としておく。 ここでちょっとだけめいめいの紹介をすることとしよう。 A氏、埼玉県、もとはローン回収会社で勤務していたとのことであった。 一番真面目そうな感じであったが、話を聞いているうちに、六本木界隈の怪しげなお店を荒らしまわっているほどの遊び好きらしい。 意外な一面を発見した。 O氏、静岡県、今の仕事と同じような仕事をしていたが、途中でアサリの中卸し業に入り、またこの業界に戻ってきたらしい。 遊び人風であるが、実は純情な中年なのかも。。。女性を惹きつける言い回しを盛んにA氏に聞いていた。 S嬢、岡山県、いろんな事務をして来たらしい。 男勝りのはきはきした性格と話し方で、今回参加した女性陣のリーダー的な存在のようであった。 上の子は、わしのところと同じ中3であることを知った。 M氏、岡山県、なんと・・・職歴に警察官と鉄道員の2つを持つ。 それにも関わらず、S嬢を「おねえさま」と呼び、S嬢の言いつけには絶対服従の様子であった。 わしは密かに、S嬢とM氏のコンビを、『岡山のSMカップル』と呼んでいた。飲む相手と会話が楽しいと、異常に酒が進む。 大いに飲み、中華料理屋の閉店、午後9時30分に解散することとなった。 解散とは言えども、4名はエレベーターで上階に昇るだけ。 A氏だけがタクシーを呼び、帰路についた。 彼の右腕には、飲みきれなかった焼酎のハーフボトルが抱えられていた。 自室に戻り、ふーーーっと人心地付いたときに、ドアのノックする音がした。 開けてみるとO氏であった。 4階の自動販売機で缶ビールを購入してきたのだ。 まだ話し足りなかったらしい。 飲みも足りなかったらしい。 わしはわしで前日の夜、懇親会の後にスーパーで仕入れてきた宮城の純米吟醸を飲もうとしていた。 O氏は、わしの部屋の電話から、SMカップルを呼びつけていた。 さきほど集まった5人の中ではO氏が一番の年長者であったから、O氏の招きを無下にするわけには行かったと見えて、2人もビールを抱えて、わしの部屋にやってくることになった。 わしの部屋での会話内容は、個人的な話が多かった。 わしを除く3名が、紆余曲折の人生を振り返って話していた。 わしはベットに横になり、それをじっと聞いていた。 というか、もう酒は十分で、睡魔が襲ってきており、口が開かなかったのだ。 わしよりさきにダウンしたのは、さすがに年長者のO氏。 午後11時30分頃には、わしの部屋を出て、隣に自分の部屋に戻っていった。 午前0時を過ぎてから、ますます元気になっていくSMカップル。 さすが30代である。(M氏は間違いなく30代、S嬢もたぶん・・・・) 上まぶたと下まぶたを5秒ほど合わせて、2秒ほど半開きにしながら、彼らの人生物語を聞いていたような聞いていなかったような・・・半分以上寝ていた状態だったのかも知れない。 自分の部屋だっただけに、彼らを残して眠るわけにも行かない・・・かと言ったって、すんごく眠い・・・・ ようやく重い腰を上げて、SMカップルが部屋を出て行ったのは、午前1時30分を回っていた。。。。 翌日の講義、H講師は声の抑揚が単調で・・・・研修会の中で一番に辛い講義であった。 H講師の話は、催眠術師の呪文の如くに聞こえた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と言うような中途入社導入研修会からはや1ヶ月以上を経ちまして、研修に参加したおのおの方は各地の事務所で日々活躍なさっていることでしょう。 そんでもって、こちらは今日と明日、東北地方の事務所から集まって福島で、実費の有志参加の社員旅行です。 山形からは4名の参加。 午後には山形を出発します。 女房も東京方面に出張?と言ってました。 たぶん、出張なのでしょう。朝の8時半には出かけていきました。 したがって、わしは、昼のハンバーグ。 夜にじいさんと子供達で食べてもらえるように、クリームシチューを仕込み中です。 クソ女房!(面と向かっては言えません) ちゃんと準備をして行けよ! 今日の分の食費、あとで貰うからな!