四川報告会
六甲での、四川大震災の視察報告に参加する。最初に中国語のニュース(orドキュメンタリー)のDVDと成都の被害の様子を撮影したスライドを見たあと津村先生からのお話。報道が規制されることが多い中国で今回の地震のニュースは直後から全国に流されDVDでは揃いのTシャツを着たボランティアの人々が地図を見ながら説明を聞いている場面が。このようなボランティアが集まって動いたのは今回が初めてのことらしい。何とか被害にあった人に力を貸したい!と善意の人達が集まっているのだがちょっとお祭り気分のような感じがあるのは慣れていないことも有る様子。北京が政治の都市、上海が商業のまちとすれば成都は歴史的文化の中心地。さらに経済成長著しく、上海より車の所有率は高いとのこと。成都に近い道教の聖地、青城山ではほとんどの建物にダメージを受けたものの地震の際に山にいた、200人前後の道士と2000人の観光客のうち怪我したのがたった1人。車の上がれない山なので、再建するとしても資材を人力で運んで少なくとも3年は掛かる見込み。道教発祥の話なども織り交ぜながら話してくださった。チベット騒動で心配されたチベット族は分散して暮らしてるので、正確にはつかめていない様子。同じ少数民族のチャン族は密集して住んでおりアパートの倒壊などで被害は大きかったようだ。「漢民族」という民族があるのだと思っていたら戦勝した者が「漢」を名乗り、負けた方に漢になるか追放されるかを迫ったようだ。秦よりさらに古い歴史をひもときながらチャン族が歴史に関わってきたことや被害の大きかった北川は、治水技術で国を治めたト(漢字が見つからない)の故郷で、その歴史遺物が壊滅状態になり、文化的損失は大きい。経済成長ばかりに意識が向いていたけれどもう一度原点に立ち戻って始めよという大地からのメッセージではないか。