自分で作った会社の創立記念日を忘れた理由
9月1日はうちの会社、株式会社ヒューマン・リスペクトの創立記念日だ。今日は9月20日だから、ついこの前、創業8年となりました。しかし、なんたることか、9月1日のその日、私はこの大事な日をすっかり忘れておりました。思い出したのは9月5日。四日間も、頭にふっとさえ思い浮かばなかった。こんな大事な日を忘れるなんて、これってどういうことなんだろうと思って、今日はそのことについて書いてみたいと思います。創業して以来、9月1日は私にとって、毎年、自分の実績を振り返る日となりました。毎年、「あ~、今年はここまで来れた。よかった、よかった。でも、まだあそこまでは行けていない」のように、創業以来の出来事を振り返って、できたことを確認し、今後のことを思い、自分なりに納得。うちの会社なんて、パート1名と私だけの個人事業に毛が生えたようなものですよ。それでも、自分で作った会社って可愛いんだよね~。だって、会社って、何もできないゼロのところから、どうにか売上を上げて、信頼獲得して、少しずつ、いろんな仕事ができるように発展していくわけです。これは非常に感慨深いこと。だから、会社を持つ人間にとって、創立記念日は自分の誕生日以上に大切な日なんだよね~。さて、そんなに可愛い自分の会社の記念日であるにもかかわらず、今年は創立記念日を忘れていたわけだ。いったいなぜ ??? 自分でも、これには驚いたよ!この事実をネガティブに捉えれば、「仕事に熱が入っていないよね~」ってことになりそうなんだけど、ちょっと考え方を変えて、今回はポジティブに捉えてみたい。たぶん、私にとって今という時期は、人生の方向を転換すべき時期なのだろうと私は思う。だから、過去の延長の記念日である創立記念日には意識が向いていなかったのだ(こういうとちょっとカッコいいよね~)。では、どういう風に自分の人生の方向を転換しようと考えているんでしょうか・・・。改めて、こうして独立8年という事実を振り返ってみると、まず、独立して本当に良かったと思える。本当に楽しくて素晴らしい8年間だった。しかし、最近、このままじゃいけないな~と感じている。今までの延長線で続けていると、きっとダメだろうな~と。なぜ、そう思うかというのは、良くわからない。まあ、勘みたいなものなんだけど、この勘が一番大事。そこで、今年に入って、私は以下のことに気をつけるようにしている。(1)お金に縛られないように気をつける。この8年を振り返ってみて、今日、本当にびっくりした。自由になりたくて独立したはずなのに、数年前までの私は本当にお金に縛られていたと思う。稼ぎ手は私だけなのに、スタッフを2名雇い、27万円も家賃を払っていたのだからムリもない。なんであんなに高コスト体質の会社をやっていたんだろうと、今は不思議に思う。売上を上げるのに必死で、苦しくて、「もう自分の会社やめたい・・」なんて友達に愚痴ったこともあった。まあ、創業数年間は大きな目でモノを見れないから仕方ないとも言えるんだけど・・・。でも、8年経つと、だんだん分かってくる。ちゃんと自分のすべきことをしていれば、お金は流れるように流れるし、長い月日の中では浮き沈みも当然ある。苦しければ会社をサイズダウンすればいいだけだ。だから、今の売上のことは、あまり気にしなくていい。お金は入るときには入るし、講師・コンサル業なんていう商売、不動産も設備もいらないんだから、お金が入ってこないとしても死にはしないのだ。売上を上げることなんかよりも、もっと他にすべきことがある。そのために独立したのだから。やっと、そんな風に考えられるようになってきたし、そう考えていないとダメなんだと思うようになった。これって当たり前のことなのだが、結構難しい。経営者だったら、「売らなくては」と考えるのは普通だから。でも、何のために? を考えると、少し思考の転換が図れるんじゃないだろうか。(2)頑張りすぎるのはやめるうちの会社は、全世界から人に来てもらえる会社にしたいと思い、交通の便の良い千代田区紀尾井町に事務所を構えた。紀尾井町は私の出身校、上智大学のある場所でもあり、都心でありながら、派手さのない静かで落ち着いた雰囲気がとても気に入っている。そして、うちの会社の主催するセミナーには、実際に全世界から参加者が来てくださる。羽田からも、東京駅からも至近だし、東京の真ん中なのに緑が多くて静かな環境。どうせやるならナンバーワンになろう! 日本最高レベルの面白さで、最高レベルのサービスを提供しよう! その思いで紀尾井町に事務所を構えた。場所だけじゃなくて、内容についてもそれだけの自信を持って世界に情報発信したいし、恥ずかしくないものを提供していきたいと思っている。おかげで、まったくのゼロから始まった私の会社は、徐々に信頼を獲得し、今では有名企業からも直接ご発注をいただくに至っている。ビジネスに対する私のこの態度は間違っていなかったと思っている。しかし、ちょっとがんばりすぎていたところもある。正直、精一杯見栄を張って頑張ってきたよ。私とパート一人の本当に小さい会社なのに・・・。また一方で、私が私でなくなるようなことは絶対にすまいと思ってきた。これは大事なことなんだけど、「絶対」とかって言っちゃうところは、かなり力が入っていたと思う。たとえば、私が今までの仕事の中で一番嫌だなと思ったことは、かつて一緒に仕事をしていたゼネコン出身のパートナーがクライエント企業の工場建設の相談に乗っていた際、クライエントにゼネコンを紹介し、工事代金の何パーセントかをゼネコンから紹介料としてもらおうとしたときだ。これはおかしい。だって、クライエントのために仕事をするのがコンサルなのに、クライエントに業者を紹介して、業者から紹介料をもらったら、おかしいよ。役人ではないから賄賂という概念ではないかもしれないけど、お金をもらったら業者に都合の良いような動き方をしなくてはならなくなる。その時点でその仕事はクライエントのためではなくなる。こういうのは嫌。お金のためにそんな仕事をするのは嫌だ。でも、その時はパートナーも稼がなきゃ、っていう思いで必死だったのだろう。そんなわけで、当時は主義主張のために大喧嘩していたわけだ。今でも私は嫌だと思っている。そんな仕事は今後もうちの会社ではしたくないし、関わりたくもないけど、パートナーとぶつかり合うだけでなく、もう少し別の対応方法が今ならできるように思う。さて、話がどんどん広がっちゃっているが、とにかく一流のサービスを正々堂々と提供する会社になりたいと思って頑張ってきたわけだ。でも、ちょっと無理していたかな~と最近思う。こだわりすぎていたかも・・・。私は私。飾る必要なんかない。それを理解してもらえるクライアントとつきあえばいいし、自分は、おそらく多くの人に理解してもらえるだけのものを持っている。な~んて、思い込みだけの自信かもしれないけどね。だから、一所懸命に主張しなくても大丈夫なんだ。自分なりにやっていれば、ちゃんと分かってもらえるし、会社もすごく儲からなくてもちゃんとやっていける。だから、もう少し肩の力を抜こう。これが8年で分かったこと。今、私は、週末は毎週、セミナー講師をしている。やっている最中はハイになっているからメチャクチャ楽しい。精神的には、色々な出会いや体験からどんどん吸収し成長していく。でも、月曜日になると、その反動のように身体がぐったりする。そりゃそうだ、講師をしている時はいつだってパワー全開にしているんだから、身体に出て当たり前だ。しかし、以前は、疲れていても休みも取らず頑張っていた。単に若かったのかな~。今はもう頑張らない。頑張ってもしょうがないと思っている。とにかく休む。身体も精神も白紙にする。きっとそこから新しい何かが生まれると思っている。日々の「業務」に流されていると、新しいものも生まれてこないからね。もっと肩の力を抜こう。(3)出会った人を大事にする独立以来、おそらく5000人以上の人達にあってきたのではないかと思う。うちのセミナーを受けてくれた人、私の講演を聞いてくれた人。仕事のパートナーや同業の仲間。講師経験もコンサル経験も全然ないのに独立して、順調にやってこれた私は、本当に周りの人に恵まれていたのだと思う。だから、一度出会った人はずっと大切にしたい。セミナーに来てもらったら、それ一度きりではなく、できるならまた会いたい。だから、みんなにまた会う方法を考えて続けていく。FACEBOOKでもどんどん情報発信するし、ブログも書いていこうと思う。誰かが見てくれて思い出してくれたら、本当に嬉しいもん。(4)自分の殻を打ち破る!どうすれば自分の殻を打ち破れるのか、正直言って全然分からない。でも、いつも殻を破らなきゃ、って思っている。歌手時代に井上七瀬さんというピアニストに大変お世話になった。数年前に他界してしまわれたが、私が出演していた立川のリザーブというお店の専属ピアニストをしていらっしゃった方だ。私の憧れの松宮一葉さんというカンツォーネ歌手を、陰でずっと支えてこられた方でもある。日曜の昼間にお店に行って、よく無料で歌を教えてもらった。タダであんなに真剣に教えてくれたなんて、今思うと私は本当に運が良かった。七さんにはいつも怒られてばかりいた。「美樹ちゃん、なんでもっと自分を出さないの!」「戦争に行くつもりで歌いなさい!」「〇〇ちゃん、見てご覧よ、あんなに自分をだしているじゃない。美樹ちゃんはまだ出ていないよ!」あの時から、今もまだ、ずっと思っている。「なんで、私にはできないんだろうな~。」苦しくて、苦しくて、自分って何なんだ、どうすればいいんだ、って、ずっともがいてきた。私の中で、今でも何かがずっとくすぶっているように思う。まだ、出し切れていない自分。戦いきれていない自分。その自分を出すために、自分の殻を破らなくては。そろそろ破れてきそうかな~~、なんて思いながら、また今、真剣にそれに取り組んでいく気持ちになっている。以上、長々と8年間のことを綴ってみました。では、またね~~。