月夜に夢を　　

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• 見えない家事に気付いてほしい

  マンションの排水管の掃除に業者が来るというのに　あたしは仕事。やむなく夫に頼むことにしたら　さすがＡ型人間なだけあっていそいそと前の晩から準備している様子。お風呂の排水溝を覗き込み　「あれえ？最近掃除したでしょ。」と　きいてくる。バカモノ。排水溝なんてものは　定期的に掃除してるに決まってるでしょうが。（もちろんさすがのあたしも毎日奥までってのはムリだけど）食事の支度や　洗濯などという家事は　目に見える日向の仕事。それだけだって主婦は結構大変だと思うけれども本当に大変なのは　目に見えない家事なのだと思う。誰にも気付かれないけれど　家族が快適に暮らせるために　必要な仕事。その地味～な仕事を積み重ねるからこそ　主婦は忙しいのよっって　声を大にして言いたい。たまには気付いて　その労をねぎらって欲しい。それは社会の片隅で　地味だけど　皆が快適に過ごすために必要な仕事にもくもくと励んでいる人々にも言えること。彼らに感謝する心を　忘れずにいたい。

  2008.07.26

• 

  携帯もしょせん道具のはず

  確かに経費でばんばん機種変更し　常に最新の携帯電話をお持ちの経営者も多い。中には　まるっきり同じ色　同じ型の電話機を2台お持ちのツワモノもいらっしゃる。（さてどんな理由ででしょう？）だが中には　経費削減の必要がある事業者だっいるわけだ。なんとこの夏の暑さで　汗が原因で壊れてしまったのだときいて驚いた。そうか。防水機能付きって機種は　トイレに落としたときのためだけじゃなかったのね。まだ割引になる期間になっていないから　それまで機種変更は待つように言われとりあえず奥様のお古の携帯を持たされているのだという。なんとそれが　乙女なピンク。どこからどうみても　立派なおっさんの社長が　現場でそれ使うわけか～。ん～。対してあたしの携帯はかなり　じじくさい　らしい。・・・ね？そのストラップが渋すぎ　とか（娘に誕プレでもらった木彫りの猫と　障害者の授産施設で購入したお札が絶妙でしょ）電話機の表面がつるつるしてないのが変　とか（表面が凸凹してると指紋が気にならなくて　これはこれで機能性◎なんだけど）いろいろ言われるものの　結構気に入っている。ほんとは　もうちっとスタイリッシュな　女性に人気！という機種と　どちらにしようか結構迷ったのだ。だが　結局こちらをとった。だって　GPSついてる機種（これのためにauにしたようなものだ）の中で一番連続待受時間が長かったんだもん。これが　遭難時に生死をわけることになるかもしれないしね。ものぐさなあたしには　2.3日充電しなくても全然平気ってなあたりがぴったり。しかし替えてから数ヶ月経つというのに　いまだ使いこなしていない。1.2度　着うたフルダウンロードしてみたけど。そんな別に　最新の歌要らないし。おさいふケータイもまだ。いまいち電子マネーが信用できない（笑）ワンセグは思いっきり必要ない。そんな外出先までテレビ観てどうする。ムービーメールもデコメールもボイスメールも無縁。バーコードだって読み取る意欲はまったくないし結局　ふつうの通話とメールとカメラと赤外線送受信とＧＰＳとアラームと。いまのところ　あたしに必要なのは　それだけなような気がする。これから携帯各社の販促費が削減されて　料金体系が変わる替わりに携帯電話機そのもののお値段が高くなるという。メーカー各社は　先を争って高付加価値の機能を開発して搭載していくのだろう。欲しい機能と要らない機能と選べる電話機があればいいのに。ワンセグ必要ないからその分安くして　とか。出来ないかなあ。携帯も所詮道具だからね。ピンクでも　じじくさくても　ゆめゆめ振り回されることのないよう。家の中ですら携帯を片時も話さない人間が増加していることを憂う今日この頃。

  2007.09.19

• 里子に送る写真

  ネパールの里子に送る手紙の締切が近づいていた。もうちょっと金額のはる　あちこちで宣伝しているような団体の制度ならばそうした機会も頻繁なのだろうけれどもあたしが入会しているところは　（金額が少ないこともあり）お互いに年に1回のみ。しかも残念なことに　途中で里子が入れ替わったりしてせっかくペアを組んでいるというのに　どうも　手紙が行き来しているような感覚がない。毎回自己紹介しているようなかんじ。そんなわけだから　ほんとにこちらが書いたものがその子に届いているのか確信がもてない　と里親として　かなりの憤りを綴っているブログもあるようだ。気持ちはわかるが　まあ　それはおいておいて。とりあえず　写真も喜ばれるということなのであたしのものや娘たちのものを　最近撮ったもののなかからチョイスすることにした。リンが自分で選んだのは　友達と遊園地のジェットコースターで満面の笑みの写真。確かによく撮れている。いい笑顔だ。彼女にとってお気に入りの一枚なのだろう。何不自由なく親の収入で暮らし　当たり前のようにお小遣いをもらって遊ぶ16歳。だがこの前　娘よりずっと年下の里子から送られてきた写真には裸足で畑を耕している彼女自身が写っていたのだ。家族の生活を支えるために　学業すらままならないほど小さな身体で働く9歳。それは　子供たちのお互いの現実を見事に写しだしている。「世界が百人の村だったなら」と同じように　それだけの格差が存在しているのは事実でどうやったってひっくり返すことは出来ないし　隠すこともできない。だが　あたしの中の何かが　その写真を送ることをためらわせ無難に飛行機の中の写真になった。（いやそれだって　格差といえば格差なんだけど）豊かさを恥らう必要はない。ましてや隠す必要もない。ただ　その上にあぐらをかいて　知らず知らずのうちに傲慢さを身にまといやしないかと　それだけを恐れる。たとえば　貧しいことはイコール不幸なことだと決めつけるような。本を読むことと　ゲームをすることが好き　という彼女にあたしが2時間あまりかけて書いた手紙と　吟味して選んだ写真は　無事届くだろうか。あたしの気持ちと　わずかであっても貴重なお金は彼女が自分の夢を思い描けるために　ほんの少しでも役立つだろうか。

  2007.08.30

• クーラーもつけられず

  障害者自立支援法の成立で　本人や家族の負担が増えただけではなく給付そのものが減って　障害者の福祉施設の経営は一層厳しくなっている。娘の入所施設では　がくんと行事が減った。年一回の旅行はとりやめ　遠足は近場で回数を減らし　サークルも絞ったようだ。楽しみが少ない施設の生活の中で　心待ちにしていた利用者も多かっただろうに。今日お邪魔した知的障害者の作業所（今は就労支援事業所とよぶ）ではそういったものをなるべく削らずに工夫しているようだが厳しいことには変わりなく　この暑さにクーラーもつけられない。額の汗をぬぐいながら　背中にじっとりはりつくブラウスを感じながら　半日ほどかかって伝票を監査してきた。気をつかって事務員の方がつけましょうかときいてくれたがこの事務室を締め切れば　作業場への風の通り道がなくなってしまうと考えると利用者の方が汗を流してやっている中　事務作業のくせに贅沢は言ってられなかった。国の財政が大変な状態だから　国民みなに負担を求めなんとか立て直さなければならない、弱者の代表者といっていい障害者やそれに関わるひとたちだって例外ではない、みんなでがんばりましょう、ということなら　納得しないでもない。いや　納得せざるを得ないだろう。だが　この法律を考案した霞ヶ関はクーラーつけずに業務をやってるか？それほど切り詰めてるってのか？この法律を通した国会は？のうのうと涼しいところで決められた法律が　福祉の現場の過酷さを増大させていく。国家予算の削る優先順位が　手っ取り早く手をつけやすいところから始まることに　納得がいかないのだ。あたしの税金は　自分たちで納税はおろか生活費すら稼げないましてそれはまったく本人のせいではない　そういうひとたちのために使っていただきたい。スーツ着て　ネクタイしめて　冷や汗しかかかないひとたちのためではなく。

  2007.08.02

• 献体と臓器提供

  今日は誕生日なのだ。誕生日には遺書　いや遺言を書こう　と思いつつ書かないままこの歳まで来てしまった。仕事柄　相続が身近にある。「いったい何がどこにどのくらいあるのか　さっぱりわからない」と遺族の方が途方にくれるケースを結構目にしているだけに財産目録やら保険目録やら　そんなものをちゃんと作っておくべきだと思っている。特にその家庭の財産を管理している人間においては。だから　それをまずやっつけようと思っていたはずなのに遺言についてつい検索していたら　献体と臓器提供という問題にぶつかってしまった。生きている間　そうそういろんなことが出来ないようにどうやら死んだ後も　両方こなすことは基本的に出来ないらしい。では　どちらかを選択するとしたら。誰かの私腹を肥やすために役立つんじゃなければ　どちらでもいいんだけどね。とりあえず　両方　資料請求することにして。あたしに残された時間は　あとどのくらいあるのだろう。【7月9日（月）の記録】=======================・本日の体重　　　　 ○○.4kg　　（6/8から-1.4g）　・目標体重　　　　　 ○○.3kg　　（目標まで-3.1kg）・ワッショイしたいもの　　　山用腕時計　=======================================ありゃ。もう一ヶ月過ぎたのねえ。なんか達成出来る自信が無いなあ。

  2007.07.09

• しょうがない

  原爆投下が仕方ないことだったって？とんでもない！と日本中あちこちで抗議の声があがっている。ご存知今や一躍時の人となった　久間防衛相の発言。発言そのものは問題外としても　周囲の反応に感じるこの少々の違和感はなんだろう。あたしたちは　ついこの間イラクでたくさんの民間人が殺されたときに心のどこかでしょうがないと思わなかったか？そして今も自爆テロが続いていることには？障害者自立支援法が通ったときには？帰る家もなく路上で生活するひとの横を通り過ぎるときには？この原爆が落とされた同じ戦争で　日本がアジアの多くの命を奪ったということには？あたしたちが快適な都市生活を望めば望むほど　破壊されていくこの地球その影響がそこかしこに出始めている国については？心のどこかで　しょうがないと思ってやしないか？加害者であるとき　自らを正当化するために使う　しょうがない第三者であるとき　関わりを拒否するかのように使う　しょうがない被害者であるときだけ　しょうがないじゃ済まされない　と声を荒げるのならばあまりにも身勝手すぎやしないか。当然　仕方がないことなのだとあきらめることは精神衛生上必要だったりする。所詮人生なんてしょうがないことの連続だと　達観したふうな口をきいてみたくもなる。だけど　でもしょうがなくない　許せない　それはいけない　絶対だめそういう基準を自分の中にしっかり持ちたい。自分ではない誰かのためにも。鈍感になりがちな（それは許容範囲が大きいこととイコールだと錯覚している）あたしには　難しいことだけど。すごく。【7月3日（火）の記録】=======================・本日の体重　　　　 ○○.4kg　　（6/8から-1.4g）　・目標体重　　　　　 ○○.3kg　　（目標まで-3.1kg）・ワッショイしたいもの　　　山用腕時計　=======================================週末続いた外食で翌朝胃がもたれたということは　もしや胃袋が小さくなってるとか？！あー　山イキターイ。

  2007.07.03

• 就労支援事業会計へ

  障害者の授産施設と言われていたものが　就労支援事業施設に移行することにより会計基準も変わるというので　昨年から現場では大きな動揺が広がっていた。担当者から泣きのメールが入るぐらい　事務方にとって大変な負担を強いる改正であるのに案の定　詳細が伝えられたのはぎりぎりになってからだ。何度か研修にも行った。改正の趣旨はわからないでもない。原価計算は会計の基本中の基本。部門別で収益を確認するというのも一般企業ではフツウにやることだ。だが　ただでさえ自立支援法施行後きゅうきゅうの状態でやっている施設にこの負担を強いるだけの価値があるのかと思うと　首をかしげる。特に担当先は多機能型で　事業ごとに利用者の種別がきちんとわかれているわけではない。かなり按分の必要があるものも多く　仕訳が相当増えた。担当者の腱鞘炎が痛々しい。事業別の数字がはっきりはじかれたことで　実際職員の間でのコスト意識は高まったという。「こっちで買ったものに　そっちで使うものが入ってんだけど。」早速　事業間での経費のなすりつけあいが始まったらしい。そのうち　利用者の方のなすりつけあいにならないかと心配する。あんまり利益を意識しすぎると　行き着くところはおそらくそこになるだろう。花いちもんめ状態で　「あのひとが欲しい。このひとは要らない。」と。利益をあげて工賃を多く払うためには　能力の高い利用者をそろえる必要がある。だが　能力の高い利用者は　本来一般企業への就労に一番近い場所にいるのだ。そのへんの矛盾を抱えたまま　就労支援事業会計は動き出した。とりあえず　一ヶ月目の監査終了。システムがうまく機能してるか不安だったけど　一箇所不具合見つけたのみ。ふー　やれやれ。【6月28日（木）の記録】=======================・本日の体重　　　　 ○○.2kg　　（6/8から-1.6g）　・目標体重　　　　　 ○○.3kg　　（目標まで-2.9kg）・ワッショイしたいもの　　　山用腕時計　=======================================ここの施設のパンは美味しい上に形も可愛くて　つい監査に行くと買い込んじゃいます。利用者さんも楽しんで作っているんだろうな～と思えるような　トトロのメロンパンとか　抹茶の甲羅の亀とか　キャラクターものや動物ものがやけに充実。でもって食べちゃいました。超ビックサイズのあんぱんまんチョコぱんを　ひとりでぺろり。おやつは　煮干って決めてたのに。だめじゃん。

  2007.06.28

• ラブホテルなんだけど

  ラブホテルがあるところというのは公園やインターの近くで堂々とラブホテル街ってものを形成しているか繁華街の路地裏あたりに待ち構えたように立っているか何も無い工業地帯だか田園地帯だかに突然ネオンを放ちそびえ立っているかそんなイメージではあるものの中には住宅街に当然のようにあったりもして　驚く。近所にも実は　そんなふうに当たり前に存在しているラブホがあるのだがさすがに近所なだけに入りにくい。この地に住んで十数年　存在は知っていても　利用はせず。だのに今日は初めてそこへ足を踏み入れてしまった。いや正確には　通り抜けてしまった。ウオーキングを兼ねて市役所への用事を済ませた帰り近道をしようと入った道が曲がりくねって長々と続いた挙句に袋小路でその突き当りがそのラブホの駐車場の入り口だったのだ。あの目隠しが風で揺れているのをそっとのぞくと　向こう側に知った道が見える。どう考えてもここを突っ切れば　近い。行くか。戻るか。ほんの数秒逡巡している間にも　あたしの心臓はばくばく音を立てはじめた。ちなみにあたしは　さっき八百屋で買ったバナナの入ったビニール袋をぶら下げている。どう考えても　入るときはともかく　出るときは怪しすぎるだろう。いいや。行っちゃえ。あー　どきどきした。たぶんこれまでのどのシチューエーションでラブホに入るときよりも　一等どきどきした。一応私有地に許可無く立ち入るわけだから　不法行為にあたる。良い子の皆さんは真似をしてはいけません。

  2007.05.10

• 県議会議員選挙

  ここ数日　あちこちでたすきがけの候補者を見かけた。スーツを着て自転車でまわることに　どんな効果があるのだ？不思議すぎる。選挙カーから聞こえてくる意味不明な公約？には　仕事中であろうと独りでつっこみをいれずにはいられなかった。「子供に夢を。大人にロマンを！」・・・おい、ロマンを与える政策って具体的にどんなよ？それでも実際には　全候補者の名前も政策も所属政党すら把握できない。たぶん多くの有権者がそうだろうと思う。慌てて当日になって　インターネットで情報を収集しようと試みるも詳しい情報は確認できなかった。組織票で稼ぐ現在の選挙の仕組みが変わってしまうことを恐れインターネット上での選挙活動に制限がされたままになっているということは無党派層と呼ばれる私たちにとっては　実に不利益なままだ。選挙活動に資金がかかるという言い訳を維持するために　あえてこのままなんじゃないのか？私が知りたいのは　顔と名前ではない。極言すれば顔なんてどうでもいいのだ、と　いつもあのポスターの公示板を見て思う。知りたいのは　その立候補者が何をしようとしているか、だ。何故それがきちんと比較検討できる仕組みにならないのだろう。街頭演説に足をとめるほど暇ではない人間だって　政治に参加するべきなのだからマニフェスト選挙と言われるようになったって　いまだ変わらずただ名前を連呼している状態は改めるべきじゃないのか。土曜日の研修で　固定費、変動費、の話になったときに広告宣伝費が売り上げに直結している商品の例として　洗剤や歯磨き粉があがった。それらは商品名を連呼し　消費者に認知させる必要があるのだ　と。なんだよ、政治家は　日用雑貨と同列かい、とため息が出るわけで。それにしても　選挙もせずに確定している区域のなんと多いのだろう。学級委員決めるわけじゃあるまいし、立候補したら即決定なんて　地方自治とはいえ　それでいいのか？このやたら狭い区域割りを決めるのはいったい誰なんだろう。今度こそちゃんと行政法本腰いれて勉強すればわかるだろうか。仕方がないので　年齢とか政党とかそんなものだけで判断して投票してきたわけだが今日投票率を見てみると（これはちゃんとネット上で情報として入手できる）案の定　五割をきっている。みんなが参加したくなる政治ってどんなんだろう。当たりくじつき選挙とか？ばかばかしい。考えようよ、ちゃんと。

  2007.04.09

• もしも自分の子供が

  日本語しか話せないのに　娘が自分と一緒にミャンマーへ強制送還されるとしたら？オーバーステイ（つまりビザ切れ）の外国人は法律違反だから日本の小学校へ通い　日本で育った娘も一緒に即刻帰国させるべき。そうだろうか。法律を遵守する仕事をもつ立場上もちろん　法律は守らねばいけなないという感覚は強い。だけど　法律は人権の上にあるものなの？人権は人間の作った法律の範囲内でしか守られないものなの？小学校5年生のサンドラちゃんのお母さんは　入管に収容されました。その日からずっと　母と娘は離れ離れで会えずにいます。友達とお菓子パーティーをしようとしていた自宅は炊飯器の中のごはんもそのまま放置され　ゴキブリ達の住処となりました。おまえたちは　ここに居てはいけない人間だから　今すぐ帰れ。貧しい国で生まれたものが　日本で暮らし働こう　つまり生活しようなんて考えるのは認めない。許さない。ましてや教育なんて　いままで受けさせてやっただけありがたいと思え。そういうことです。日本がやろうとしているのは。とにかく子供を育てなければと　ふたつのパートを掛け持ちして一間しかないボロボロのアパートで寄り添って暮らしていた母と娘に私たちは　今すぐ国に帰れと言う。縁あってサンドラちゃんとそのお母さんを支援しています。どうかこの母と子に　日本にいてもいいよ　という在留許可を出してもらいたい。力を貸しては　もらえないでしょうか？

  2006.01.07

• 国勢調査に思う

  世帯構成を調べるというのは　まあわかる。子供二人＋専業主婦＋世帯主という長らく日本の標準だった家族のかたちがもはや標準ではないと認識していただくためにも必要なことだろう。賃貸だとか持ち家だとか　どのぐらいの広さの家に住んでいるのかそういう住環境を調べるというのも　わからないでもない。仕事の有無とその勤務時間　勤務形態　それもまた確かに雇用対策等に役に立つこともあろう。勤務先の所在地　これも各市町村の防災対策などに影響を与えることも考えられる。ですがね。抵抗があったのは　名前を書くということと勤務先を書くということ。そりゃ　私は怪しいものじゃありません。会計事務所だったら　いかがわしい業種というわけでもない。（たぶん）書いたって別にやましいことは無いのだけれどそれでもやっぱり　勤務先名なんか統計に関係しないだろうと思うわけで。業種を書くだけでいいんじゃないのか？どの産業にどれだけのひとが働いているか掴めればいいんじゃないか？そう思うわけで。書き方の説明だけでなく　もっとこう各種の質問が　どういったことに役に立つのかどんな意味でどんな統計が必要なのか　具体的に説明が必要なんじゃないか。個人情報保護法案なんて成立させてるわりには　なんともお粗末。「国勢調査にご協力ください」っていうとおりいっぺんの広告がまるで選挙のときの「○○をよろしく」と連呼するあれに通ずるような気がしていまいち納得できない。

  2005.10.02

• オンナを売る

  担当先の社長さんから　女性の建築士（卵可）を紹介して欲しいと頼まれた。ずっと前から探しているらしいのだが　なかなか見つからないのだそうだ。資格なんか持っていなくてもいい。勉強中でいい。とにかく　女性がいい、女性限定で、という。へえ。どこぞの刺客騒ぎのときも　ずいぶん女性が大活躍だったが　ここでもそうか。オンナという性が持つ　やわらかさ　親しみやすさ　こまやかさそういったものが求められている。打たれ強さ　図々しさ　そういった生命力の強さも然り。ネットワークの構築力だって　旺盛な好奇心だって　胸をはれる。受付嬢に代表されるような一部の女性だけがもつ　いわゆる華やかさ（見栄えともいう）には　例え欠けていたとしてもお嫁さん候補などという条件は　とっくに満たさなくなったとしてもそれ以外に売れるものを　私たちはまだまだたくさん持っている。オンナであるだけで　それが売れるわけだ。自信をもっていい。うちの事務所が女性スタッフばかりなのも　やはり戦略のひとつであるだろう。男性よりも給与を抑えられるという利点も昔はあったに違いないがどうもそれは重要な理由では無くなってきたようだ。当然いろんな女性がいるわけで　個人差なるものは生じるだろう。みなひとくくりにできるわけがない。だが　それでも　オンナというイメージで想定される数々のベースになるものがある限り意識して磨きをかけるべし　と思う。それを買うのは　オトコとは限らないわけで。

  2005.09.27

• 恥を知れ。

  通勤で使わないだけに　久々に電車に乗るといろんなことが目につく。それは先輩も同じようで昼間の時間帯に　コンビニの冷やし中華を食している若い女性を見た　と驚いていた。　そりゃ驚くさ。スープや具を入れて麺をほぐす　という一連の作業を淡々とこなした後すするのか　それを。車内で。考えられない。今夜は遅くまでお客様にご馳走になり　アルコールもはいったこともあってすっかり気が大きくなって　特急を利用した。（当然自腹）特急ともなれば当然　皆　飲んだり食べたりしている。私もミネラルウオーターを持ち込んだ。例えそこに冷やし中華をすすっているひとがいたとしてもフツウの電車でそれが行われるほどの驚きは無いだろう。ひとりひとり座席があるというだけでそういう感覚に差が出来るのは　ちょっと興味深いことだが。それはともかく　今夜驚いたのは　別のこと。当り前のように降りるひとはほとんど皆　網ポケットにゴミを残していくのだ。ひとつひとつ全ての座席が　宴会後のテーブルのようになっている。パリッと（かどうかは知らないが）スーツを来たビジネスマンが　それかい。しかもみんないい大人じゃん。特急料金出せるほどの。なんだか情けなくて　涙が出るよ。

  2005.06.21

• それは　ひきこもり　だ。

  いろいろ調べていくうちに　ひきこもりの定義にぶつかった。（厚生労働省参照）・自宅にこもって学校や会社に行かず　家族以外との親密な対人関係がない状態が6ヶ月以上続いている・統合失調症（精神分裂症）や鬱病などの精神障害が第一の原因とは考えにくいこのふたつを満たせば　それは「ひきこもり」だと。そうか。実家に居る我が弟は　立派な「ひきこもり」か　と今更ながら認識した。兄弟のことだから　我が子のことほど一生懸命にはなれないということもあり気になりつつも　事実上　今の今まで放置していた。知識も得ずに過ごした期間　此処彼処に書かれている"してはいけない対処"の　ほとんどすべてをやってしまったように思う。反省。いくつか本を選び　実家に送った。電話をすると　父の反応はどうにも鈍い。"ひきこもり"だという事実を　認めたくない様子がうかがえる。障害の受容に時間がかかるのと同じことなのだろう。だが　ひきこもりは治る（つまり社会復帰できる）のだというのだから。正確な情報と　正しい対応を貫きとおすだけの両親の覚悟さえあれば。長期化していくことこそが問題なわけだから　逃げている場合じゃないだろう。母はといえば　完全に共依存関係が進行してしまっている。犯人さがしは意味が無い　ということがずいぶん書かれていたけれどどうしたって　原因はこのひとの劣等感と孤独だろうと思う。考えるまでもなく　私はこの母から逃げたのだ。離婚しても実家に帰らなかったのは　別に他人様に褒めてもらえるようなことじゃない。このひとに　すがられたくなかったのだ　と。誰にそう言える？私も上の弟も　本能的にあの家にいてはいけないと嗅ぎ取った。下の弟は　私から言わせれば　逃げ遅れたようなものだ。自覚は無いだろう。あの家の　皆が。どうしたらいい？私は私の孤独を　娘になすりつけるまい　と　ただそれだけを誓う。サッカーで熱狂する日本人の裏に潜む孤独についての新聞記事が印象に残っている。自分の孤独を自分で癒せればいいのに。

  2005.06.14

• 無駄な時間。

  繁忙期以外残業が無い　いや　出来ない　というわけで大概は　掃除をした後　皆一斉に定時退社のはこびとなる。少し離れた駐車場まで　ぞろぞろ（といっても四～五名なわけだが）歩いていく。問題はそのあとだ。毎日とは言わないが　別れ際　立ち話が始まってしまうことがあるのだ。はっきりいって　無駄な時間。そこで仕事に有用な情報がもたらされることは　ほぼ無い。結論の出ない愚痴の類が繰り返されるだけだ。そのくせ　ちっとも場は盛り上がっていない。これじゃあ　"非生産的"と蔑んだ　専業主婦時代の井戸端会議と同じじゃないか。独り先に職場を飛び出す先輩のスタイルを見習いたいものだがどうも掃除や帰宅準備に手間取って　皆と同じペースになってしまう。後で後悔するくらいなら「急ぐので」と　常にとっとと輪から抜け出せばいいのだ。流されずにいこう。今　無駄な時間は　要らない。

  2005.06.09

• よさこい　にしろ　ソーラン節　にしろ

  "踊る"ってことは　人間のもっている表現方法の中でもとびぬけて素晴らしいと思う。観る側に　いのちの躍動感を感じさせ　自分の中のエネルギーが奥底から湧き上がってくるような　そんな気持ちになる。踊っている側だって　さぞかし気持ちいいだろうなあ。ミュージカルを観たときだって　そう思ったわけだけれどもやっぱり　大衆的な踊りの方がより身近であり（盆踊りはちょっと違うけど）以前夏祭りで観た　よさこい　にしろ今夜の　3年Ｂ組金八先生での　ソーラン節　にしろ感動しないはずがない。高知の　鳴子を手にして踊る　"よさこい"　北海道のニシン漁を祝う　"ソーラン節"大会が開催されているだけあって　どちらも認知度は高く　金八先生じゃないけど　体育の授業や運動会でやっている学校もあるようだ。でも　"踊る"っていうのは　強制的にやらされるようなもんじゃあ　ない。誰かの踊りに感動したり　自分の内なる衝動につき動かされたりして　踊るもんだと思う。当然　想い　だけでは自分の思うようには踊れない。きっと　手足はちぐはぐに動くだろうし　鏡なんかで見た日にゃなんじゃこりゃ　って幻滅するに違いない。それを乗り越えての踊りだからこそ　あんなに美しい表情になるのだろう。踊ろうか　わたしも。踊りたい　わたしも。この身体が　すみずみまで駆使して欲しい　と　要求している気がする。イレモノとしての用途だけでこのまま朽ち果てていいのか　と　問われている気がする。・・・つまり　かなり運動不足なわけだな　こりゃ。それにしても金八先生。最終回といえども　四時間なんて反則でしょう。時期も時期だけに　娘と二人でおいおい泣いて　ティッシュ一箱空けましたとも(笑)

  2005.03.25

• 確定拠出年金(個人型）の資料請求

  今年は確定拠出年金（私の場合は個人型になる）の加入を検討しようと思っている。そもそもは　先日のＤＣプランナーの試験もそのついでに受けたようなものだ。イー・トレード証券の手数料が安いらしい　ということは知っていた。この毎月の口座管理手数料がネックで　どうせ掛けるなら国民年金基金でしょう、という話もあるぐらいだ。だから　とりあえず真っ先に資料請求したのは　ここだった。だが　さすがに一社だけの資料を見て　しかも手数料の安さだけを理由に決めたのでは　ＦＰ（一応）の名が廃る。他社の資料請求もしてみることにしたのだが…。ああ　実にめんどうくさい。保険のように一括資料請求や比較のサイトを誰か作ってくれないかな。（←所詮他人頼み）検索していちいち開いていったのだけれども銀行・保険会社・証券会社等と業種が幅広い上に投資の考え方やらこの制度の概要やらが　ばばーんと幅を利かせていてなかなかお目当ての商品ラインナップや手数料にすんなりたどりつけない。ダウンロードするようなところは　インクと用紙代がもったいないからパス。（・・・いいのか　そんなんで？！）とりあえず　一週間ぐらいで集まるだろう。

  2005.03.19

• 静と動

  断然　桜より梅だと思う。だが　柵で囲われた中に行儀よく並んでいるような姿はどうにも似合わない気がして　何度か訪れた越生はあまり好きではなかった。それに対して　確定申告休み初日の今日　足を運んだ秋間梅林は気に入った。斜面に続く梅の木の連なりは　やはり"林"と呼ぶのにふさわしい。山道を感じさせるような遊歩道の土の感触を楽しみながら歩いていくとふっと　視界がひらけ　梅の花の淡いグラデーションが目にとびこんでくる。平日で　しかも空が今にも泣き出しそうだったこともあり　人がほとんどいない。思う存分　静寂を楽しむことができた。年間でこの季節しか開かないであろう　まるで海の家のような古びた売店で名物だという"いも串"を頼むと　これが予想以上に美味だった。里芋をゆでて串にさしたものを焼き　甘い味噌だれをかけてあるのだがその里芋が　なんとまあ　綺麗に同じ大きさにまん丸いのだ。こうした小さな丸のカタチの里芋の種類でもあるのかと　不思議に思って尋ねると「普通のやつを丸くするんですよ」と半ば自慢げにおばちゃんは言う。ああそうだ。きっと普通のてんでばらばらの大きさやカタチの里芋が串にさしてあったなら確かに売れ行きは鈍るだろう。たとえ　同じ味でも。帰り道　日帰り温泉まで足を伸ばす。ここも人がいない。露天風呂は　ほとんど貸しきり状態。ぬるめのお湯につかりながら　ひたすらぼーっとした。活字を読まず　数字も扱わず　見知らぬ土地で誰一人知人会うこともない。今日は　私にとっての静。動には静が必要で　静があるからこそ動が輝くのだと思う。そして　梅には断然静が似合うと思う。

  2005.03.17

• 詩のボクシング大会

  林木林（はやしきりん）さんが優勝した第四回　詩のボクシング全国大会　なるものを偶然観る。ボクシングのリングの上で　それぞれ順番に三分あたえられお互い自作の詩を　朗読する。トーナメント形式であり　その都度　違う詩が披露される。勝敗は　七人の審査員の多数決で決まる。そのほとんどが作家や作詞家など　言葉に携わる方々なのかと思ったら美術家である方も多く　驚いた。表現する、という意味では同じことなのだろう。コイビトは　芸術と呼ばれるものを嫌う。それは金持ちの道楽だと　いわんばかりに。確かに　そういった側面はあるだろう。バブルの最盛期　ゴッホのひまわりが落札されたあの価格を考えれば。その作品を買うひと　お金で評価する側の人間がいなければ成り立たない。そしてそれは　きっと　食べることもままならない人々にとって生きるために必要最低限なものではない。だが　人間は　ずっと求めてきたし、育ててきた。音楽　文学　絵画　演劇　…多くの表現する手段をもって。この林さんは　詩が一部の人間のものだけでなく多くの人たちにとって　もっと身近なものになれば、と考えて出場を決めた経緯があったようだ。http://www.asahi-net.or.jp/~DM1K-KSNK/national4.htm恋をしたとき　人生に矛盾を感じたとき詩（とよべるかどうかは別にして）を綴った経験は誰でも一度や二度　あるだろう。何も感じなければ　考えなければつまり心が震えなければ伝えたい、表現したい、という欲求も生まれない。私は私の欲求を　大事にしていきたいと思う。自分の心の震えに　敏感でありたいと思う。それはつまり　ほかの誰かの心の震えも　感じることが出来るというそういうことだと思うから。

  2005.01.22

• 銀行の営業時間

  昔から　銀行の営業時間に不満があった。役所じゃあるまいし　民間のサービス業なんだもの　窓口も土日やるとか　時間延長するとか他と差をつけるべきじゃないかと　ずっと思っていた。だから　地元の銀行が窓口五時までやります！と始めたときには　よし、もう一声っ　と応援したくなった。（こちとら五時終業なわけで　ぜひ六時までにしてもらいたい）早退して　所用が終わったのが四時。ふとそれを思い出して　その銀行に国民年金の納付に行った。「申し訳ありません。　市町村分なら大丈夫なのですが、国のものは３時までとなります。」えええええ。せっかく　銀行が頑張っているっていうのに　何やってるんだ、国は。だから年金の徴収率も下がるんだってば。

  2005.01.12

• 叫び室のご提案

  夜　救急外来にかかる。子供ではなく　自分が、というのは初体験だったが、夕方から痛み出した腹痛に　どうにも耐えられなくなったのだ。"救急"であるはずなのに　かなり待たされる。それもそのはず　廊下はいかにも重病人そうな面々と老人とであふれかえっている。ようやく痛み止めの点滴を処置してもらうが　全然効かない。叫びたい。ご存知だろうか。救急室のベットは通常幅が狭い。カーテンを隔てた隣のベットの気配が　手にとるように伝わってくる。右隣は　きっと喘息。定期的なあのヒューヒューという音。左隣は　低い男性のうめき声。私も　叫びたい。唸りたい。喚きたい。少しでも　この痛みを外に出すことで緩和したい。検査のために　車椅子で移動した。夜の病院。広く　静かな待合室を通る。完全防音の叫び室が備えてあればいいのに　と思う。

  2005.01.09

• 『半落ち』を観る

  無性に　泣きたかったのだ。しかもラブストーリーではなく（すっかり卒業してしまった（苦笑））かといって　純粋な前向き感動モノでもなく人間のもつ哀しさで　ただひたすら泣きたい気分だった。上映されていた時分　ＴＶでもかなり宣伝していたからご存知の方も多いだろう。アルツハイマー病（たぶん若年性だと思う）を患った妻を愛していたからこそ　その手にかけた夫。　本人に「殺して」と頼まれて行う　それ　を　嘱託殺人というらしい。自分が少しずつ壊れていくというのは　どんな恐ろしさだろう。愛するひとが少しずつ壊れていくのをみるのは　どんな哀しさだろう。魂が壊れてしまったら　肉体に宿る命は　なんだろう。若い裁判官が　彼に問い掛ける。生の定義、それを裁くのは　誰なのか、と。「老いてボケてくるとね、同じになるのよ。」以前　見学に行った重度の知的障害者の施設で　言われたことがある。だから　その歳になれば　専門の施設ではなく一般の老人ホームで　他の老人達と一緒に暮らせるのだと。例え　昔の記憶を失おうとも　記憶というものを持たなくなろうとも快・不快の感情があれば　人間でしょう？例え　会話が成立しなくとも　日常生活全般に介護が必要でも生きている意味は　あるのでしょう？私の娘は　最初から最後まで言ってみれば　ずっと壊れたままで　一生を終える。彼女にもしも一瞬でも　フツウの人間であるときが与えられたなら私に「殺して」と言うのだろうか。こんなふうに生きていても　意味が無い　と言うのだろうか。いま　無性に　彼女に逢いたい。

  2004.10.10

• パラリンピック

  手話の番組が終われば消すはずだった。だが　その　左足一本で泳ぐ彼の映像に目を奪われた私はただ唸るしかなかった。消すことなどできない。その唸り声(笑)を聞きつけて　娘もやってきた。ふたりで　しばらくパラリンピック漬けの時間を過ごした。番組は　日本の選手達の横顔とそれを支える人達を　次々と紹介していく形で構成されていた。もうしばらくするとアテネでパラリンピックが開催される。障害者のオリンピックとも呼ばれる　この大会はどうしたって先日のオリンピックほどの関心を呼ばないし視聴率もとれないだろう。だが　これこそが　本来のオリンピックのあるべき姿ではないかと思わされたのだ。国と国との政治的要素を含む競り合いだとか　ドーピング疑惑に記録が振り回される醜さそういったものを排除した　スポーツマンとしての真の闘い。それは　メダルの数を競うということよりも選手ひとりひとりが　まず　何よりも自分自身と闘わねばならないそのことが関係しているのではなかろうか。同じ障害をもちながら　同じ競技で競い合ってきたライバルを合併症で亡くした選手の再起の話には　思わず涙した。「私は生きているのだから。　生きていさえすれば彼女はきっと泳ぎたかったはず」そうやって　国と国とを超える友情がそのひとを支えていく。ただ生きるだけでも彼らには闘う必要があるだろうという想像はたやすくだが　そのうえさらに闘おうとするのは何故なのか。私は番組の間中　ずっと考え続けた。足が無い　手が無い　目が見えない　いろんな障害はあっても　残っている機能を限界と思われるまで駆使して　彼らは　挑戦していく。「怖くなかったんですか？」高校生の水泳選手の彼が　ゲストからの質問に答えていた。「息継ぎが出来るようになるまでは　やはり怖かったですね。　でも　それからは　そうは思いませんでした。」彼が我々と同じカタチでもっているのは　左手だけだ。途中までしかない　右腕　両脚を器用に使い　クロールを泳ぐ。障害児の親である私は　彼の親御さんの気持ちにどうしたって思いは向かっていかざるをえない。水中で脚がつかない子供を　プールへ送り出す気持ち。それを受け容れてくれるスイミングスクールを探す上でぶつかったこと。ああ　きっといろんなことがあったはずだ。子供が乗り越える前に　まず　親がそれらを乗り越えなければならない。そうしなければ　そこまでたどりつかない。彼らの可能性を　つぶしてはいけない。だって実に　いい表情をし　幸せそうなのだ。挑戦と　夢と　自信と。人間は　きっと　誰しも　未来を思い描いていけるときこそ幸せなんだろう。それは　誰かに与えてもらうものではなく　自分の手で得るもの。それを求めて　闘うのだろう。そう思った。

  2004.09.11

• 養育費

  離婚してから五年の歳月が経とうとしている。当時決めた養育費は　とうとう金額が1/5になってしまったもののとりあえず度重なる催促をすれば　遅れながらも届けてくれていた。要らない、と言ってしまえば精神的には楽だったのだ。それでもそうしなかったのは　ひとえに娘のためである。彼は　子供にまったく執着が無い。養育費が面接交渉権の材料になる話は巷ではよく耳にするが（払うから会わせろ、みたいな）子供の運動会をほっぽって　泊まりで遊びに出かけてしまうそんな父親であった彼が　自分から子供に会いたいと言うわけが無い。だが　娘にとっては紛れもなくただひとりの父親なのだ。養育費を理由にして　ちょっとでも顔を見ることが出来れば養育費を証拠にして　それでも愛されていたと思うことが出来ればまだ幼かった彼女のために　そう考えた。何度も催促してようやく先月分を届けてくれることになった今日着いたよ、と電話が鳴ると自ら通知表を持って　娘はいそいそと下に降りていく。しばらくして戻ってきた娘は　「パパね、安そうな服着てたよ」開口一番そう言った。その若さ故に父兄の中では目立つことになり、お友達やそのお母さん方から　カッコイイね、といわれることが彼女なりに誇りだったのだろう。その彼女の目に　父親がみすぼらしく映ったということは。いよいよ　養育費の立ち消えの日も近いかと　不安がよぎる。借金漬けになっていることを　風の噂できいているのだ。私と別れた後　彼は二度目の結婚をし　そしてまた別れた。ひたすらマジメに仕事に向かう職人気質が取柄だったひとなのにいまや　無断欠勤は当り前、クビにならないのが不思議なほどらしい。よく彼は言う。「俺のまわりで養育費払っているやつなんか　いないよ」きちんと養育費が支払われているケースが少ないとは世間一般で　よく言われていることだ。だが　私の周りはみんな支払っている男性ばかりだ。バツイチであるコイビトも然り友達の彼氏も然り先輩の元旦那様もまた然りそして　関与先の社長さんも、である。帳簿に毎月出てくる。養育費は　お金だけの問題ではない。どうか　忘れないで。あなたが　その娘の父親であることを。

  2004.08.21

• 産む性

  実は昨年の秋に出産したのだと　高校時代の友達からハガキが届いた。慌てて出産祝いの品を用意しつつあの赤ちゃんの懐かしい匂いを　柔らかさを　ふと　思い出した。もう何年も前のことだ。抱き方すら忘れてしまった、そう思うのにおっぱいにすがりつくあの小さな手の感触を覚えていたりもする。もしも私がまた子供を産んだとしたら　どうなるのだろう。今の仕事は続けられない。そして　雫のことは…。正直　産みたい、と思う。子供が嫌いな人間がそんなことを口走るのは可笑しいかもしれない。だが私も女性である限り　愛しい人の子供は欲しい。でも　もう産むことはないだろう。彼女は　大学院まで行って研究に没頭し　男性と肩を並べ一流企業の第一線でずっと働いてきた女性だ。子供が欲しいと言っていた彼女によきだんなさまとめぐりあえた彼女に待望の赤ちゃんが授かったことを　心から嬉しいと思う。この世に生まれてくる命は　みなひとしく慈しみ愛されてほしい。この胎内に命を宿しているとき　彼女にもらった絵本は　今も私の限りなく少ない母性を刺激する。この世の中で一番あどけなく美しきものそれはあかちゃん　泣きたまえ　むずかりたまえ　顔をくしゃくしゃにしたまえ　それさえも美しく見えしこの世の中で一番あどけなく美しきものそれはあかちゃん　　　　　　　　詩　サトウハチロー

  2004.08.20

• 

  セックスボランティア

  ボランティアが無償の行為だとするとこの本に書かれている話は　大部分があてはまらない。自治体の援助を受け活動しているオランダの有名な組織にしろ障害者割引サービスを行っているホストクラブにしろ日本にもいくつかあるという障害者専門のデリヘルにしろすべてお金をとるからだ。しかもわずかばかり紹介されている無償の事例は　ことごとく成功していない。筆者としては　そこに感情のもつれという理由をあげている。セックスボランティア ( 著者： 河合香織 | 出版社： 新潮社 )無理だろう。そもそもセックスボランティアなんて。『愛のないセックスなんて　ありえない。』残念ながら　そういいきれてしまうほど私は綺麗なわけでもない。実は　これまでの数少ない経験(苦笑)の中にもこれは絶対ボランティアだろう、というセックスは確かに存在した。だからそれは　健常者同士であってもありうること。でも　障害をもっているからといって例えセックスが困難だからといって（機能的・機会的に）受けることのできる当然の権利だとは言えないのではないか。そして　愛のないセックスより愛があふれるセックスの方が　断然いいに決まっている。だから　皆　恋をせよ。障害をもつものも　もたざるものも。そして当然のように　その相手と肌を重ねればいい。障害者の性の問題が　大事なことだというのはよくわかる。この著者も指摘しているように過去に月経の介護の軽減のために子宮の摘出を強要されたり本人の同意なしで生殖機能を断つことが出来るとされていた優生保護法のような歴史を考えるときその問題が　健常者の側からの勝手な理屈と都合でおざなりにされていいわけがないとは思う。だが　人間であれば同じように性欲があるということを認め受け容れることとそれを満たしてあげるということは　別のことではないのか。先日　娘と同じ障害をもつ子のお母さんから同級生の男の子を母親連れで家に招いたときの話をきいた。中学生のその男の子は　彼女にいきなり抱きついてきて犬のように腰をふりこすりつけ　ズボンを濡らしたという。彼の母親が慌ててトイレに連れて行き　処理をしてやっているのを見てかなり衝撃だったというのだが　それを聞いた私にしても　相当なショックだった。犬ではない。人間なのだ。母親が息子の自慰の手伝いをする。排泄の処理の延長線上だと思えば　それも出来ないこともないかもしれない。（アレよりはソレの方が汚くないような気もする）他人事ではない。善悪の判断もつかないのに　快・不快の感覚はもっている雫のような重度のレベルであればなおのこと　難しい。最近　胸がふくらみ　女性の身体になってきた。これから　初潮も迎えることになるだろう。性の問題が　より身近なものとなるに違いない。ちなみに　この本で一番心に残ったのは「どうして障害者割引サービス（店の取り分なし）を　始めようと思ったのですか？」という著者の問いに答えたデリヘルの店長の言葉。「世の中に誇れるような仕事をしているとは言いがたい故　こうすることで人生の帳尻合わせをしているのかもしれないな。」私にとっての手話も　ある意味似たようなものかもしれない。

  2004.08.08

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  “さとうきび畑の唄”を観る

  毎年この時期になると　反戦の映画やドラマの放映が多くなる。それでいいのだと思う。普段　戦争などまったく考えもしない生活に追われている多くの人々に　ちくっと針を刺す。それが必要なのだと思う。過去の日本の過ちに対し『何度謝ればいいのだ』と苛立つ政治家も多い。だが　私は何度でも謝ればいいと思う。謝るたびに　二度と同じことは繰り返さないと我が身に誓いそれを周囲に示していくことは　無意味なことではないだろう。謝り反省するということは　決して卑屈になるということではないのだから。“さとうきび畑の唄”は戦時下における沖縄でのある一家の話だ。ざわわ～　ざわわ～　のあの歌は　以前から知っていたが森山良子/さとうきび畑(特別完全盤)これを観てなるほどと思った。売れるわけである。さんまが演じる父親役が　どうしても　『ライフイズビューティフル』の父親役と重なる。陽気で優しくて　家族を　妻を　心から愛し例え平凡であっても営まれる日々の暮らしの幸せの意味を知っている男。　「こんなことをするために生まれてきたわけではないんです」傷ついた相手の兵士を殺せと上官に命令されたときに彼が泣きながら口にした言葉だ。生まれてきた時代が違うことを　ただ運がいいと喜ぶだけでは私たちが望む平和は　永遠に来ない。いまもなお　世界のあちこちでは　たくさんの命が平凡な幸せも叶わず　奪われているのだから。泣きっぱなしの二時間半だった。さとうきび畑の唄　完全版-DVD-〔送料無料キャンペーン中〕

  2004.08.06

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