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南トルコ・アンタルヤの12ヶ月*** 地中海は今日も青し

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2006/08/29
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テーマ:海外生活(7779)




追悼と平和の願いのために掲げられたトルコ国旗@時計塔



真夏の焼け付く太陽と青い空の下ではためくトルコ国旗。
歓喜と祝祭のためのものではなく、追悼と祈りのために掲げられたものである。

街を行き交う人々の動きは、いつもと同じようでいて、どこかぎこちなく見える。
抑制された声で会話しあう親子。地元の人間の目撃談に耳を傾ける通行人。
爆発音の静まった後の、奇妙な沈黙と静寂。
警察官の多さと、進入禁止のテープが、その場所を一目瞭然に示していた。

復旧作業は急ピッチで進められていた。
瓦礫や割れたガラス片は、夜を徹して行われた清掃作業によってほとんどその場から姿を消していたし、バイクなどの炎上した跡は何処にも見出せなかった。
何台も横付けされたガラス業者のトラックと、取り付けを急ぐガラス職人たちの姿が、一刻も早い復旧への希望を表していた。

ベレディイェ(区)は、いち早く新しい看板を掲げ、その下に大きなトルコ国旗を吊り下げた。
歩道の上には、ある政党によって行われた抗議行動の名残である、赤いカーネーションが残されていた。

プロテストとしての赤いカーネーション



****


マルマリス、イスタンブール、そしてアンタルヤと続いた連続爆発事件により、再び観光業への大打撃が懸念されている。
一部の海外メディアでは、トルコへの渡航自粛を勧める論調が幅を利かせているらしい。

最近トルコ国内では、この手の事件に関するニュースそのものを小さく扱おうとうする報道自粛傾向がさらに強まった。
テレビ・ニュースでは、トップの扱いではない。新聞は全国紙の1面にではなく、5面、6面あたりに小さく掲載するのみ。地方版および地元テレビ局にいたっては、完全無視。まるで事件そのものが発生しなかったかのような錯覚さえ覚える。

トルコ国内および地元の観光業へのダメージ回避、観光客および住民のパニック回避、業界への遠慮、・・・などいろいろな理由が考えられるだろうが、詳細情報をまっ先に知る権利のある国民や地元民のもとに情報は届かず、国際通信社を経由していち早く海外に詳細情報が流れる構造は、決して望ましいものではない。
海外では一層不安が掻き立てられ、当の国内では常習化して一層危機感が弱まっているように見えるのは、気のせいだろうか。




いつも応援ありがとうございます。
同様の事件が引き続き起こされないこと、
他の都市へ引き継がれないことを祈ります。


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最終更新日  2006/08/30 07:14:16 PM


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