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カテゴリ:読書
Lucky MAN
映画‘バック・トゥー・ザ・フューチャー’でマーティ・マクフライ役を演じ、 押しも押されもせぬスターに登りつめたマイケル・J・フォックスの自伝。 彼は、30歳という若さで、パーキンソン病と診断される。 その年齢で、パーキンソン病になるのは極めて珍しく、 俳優生命も約10年と宣告され、絶望の淵に立たされる。 1990年11月 目が覚めるとぼくの左手にメッセージがあった。それはぼくを震え上がらせた。 左手の小指が勝手に、狂ったようにぴくぴく動くのだ。 この症状がひどくなり徐々に身体の左半分が麻痺し、動かなくなるようになる。 若年性パーキンソン病と診断されたのは、小指のぴくぴくが始まってから1年後だった。 思い起こせば、‘バック・トゥー・ザ・フューチャー2’の頃から、 その兆候が出ていた事に、後で気づかされる。 第1作で“ジョニー・B・グッド”をギター演奏したのと、 全く同じ演技をしなくてはならなかった。 その時、前作から4つ歳を取ったというのが言い訳にならないほど疲労し、 体が思うように動かせなかった。 また、シリーズ第3作でもやはり体が動かず、 信じられないようなケガをした・・・ 1998年に、自分の病気を公表するまで、彼は7年もの間ひたすら隠し続け、 体をごまかしながら仕事を続けていたのだ。 しかもその間彼は、絶望、病気への恐怖、妻が去るのではという不安、 どこへぶつけていいかわからぬ怒り、葛藤に苦しみ続けた。 酒におぼれ、精神を病み、ボロボロになった。 けれどもセラピストとの出会いもあり、彼はようやく病を受け入れ、 前向きに生きていけるようになる。 彼が立ち直ったのは、彼自身の根っからの明るさ、楽天的な性格もあるが、 やはり妻のトレイーシーの存在があったからだ。 7シリーズも続いたテレビドラマ‘ファミリータイズ’で出会い、 結婚してからずっと、トレイシーはマイケルを理解し、支え続けた。 そして、パパを愛する3人の子供たち・・・ この本には、彼がカナダ西部の小さな町に生まれた子供時代から、 テレビと映画で瞬く間に世界のセレブレティとなった経緯も語られている。 絶大な人気を集めた若かりし日々は、確かに夢のように楽しかったが、 病で苦しんできた10年を、「昔のままのきみで過ごせる10年と取り替えてくれる」と、 誰かに言われたとしても、彼はお断りだという。 この神経系の病気にならなければ、 ぼくはこの贈り物の包みを開けることは決してなかっただろうし、 これほど深く豊かな気持ちにもなれなかったはずだ。 だから、ぼくは自分ことを幸運な男(ラッキーマン)だと思うのだ。 あの天真爛漫なマイケル・J・フォックスが、 このような壮絶な日々を送ってきた事を知った時、衝撃を受けた。 また、彼の苦悩を聞くと、思わず涙してしまった。 しかし、彼のこの潔さ、病を受け入れ、自然に生きていこうとする姿に、 感動し、本当に勇気づけられるのだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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