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テーマ:好きな絵本教えて下さい(711)
カテゴリ:読書
田島征三さんのダイナミックで鮮やかな絵が、こどもたちの心に喜びを与える。
大人もこれを読むと、疲れた体に力がみなぎる。 先日、小学1年生のクラスに読み聞かせに行き、‘とべバッタ’を読んだ。 田島征三さんの絵は、訴えかける力が凄い。 ページを繰るごとにこどもたちが、思った通りの反応をしてくれるのだ。 “ちいさな しげみの なかに、バッタが いっぴき かくれすんでいた。” それは、周りにカエルやへび、カマキリ、クモなど恐ろしい敵がいて、 バッタを食べてやろうと待ち構えていたからだ。 仲間のバッタは、次々に餌食となっていく。 びくびく隠れまわっていることが、つくづく嫌になったバッタは、ある日ついに決意する。 堂々と大きな石のてっぺんで、日向ぼっこをすることにしたのだ。 すると、予想通りすぐにヘビに見つかり、カマキリも同時に襲いかかってきた。 “バッタは、しにものぐるいで とんだ。 へびを へこまし、カマキリを ばらばらにして。” “クモのすと クモを、めちゃめちゃにして、バッタは とんでゆく。” “そらの トリは、てっぽうの たまに あたったのかと おもった。” 本当にカマキリをばらばらにし、クモの巣を突き破るあたりの絵が、 ものすごくダイナミックで、見ているこどもたちは「すげ~!」と歓声を上げるのだ。 どこまでも高く飛び上がったバッタは、今度は落ちていくしかなかった。 下の池では、カエルと大きな魚が、口を開けて待ち構えている。 バッタは、その時、自分に今まで1度も使ったことのない4枚の羽があることに気づき、 もうだめかと思った瞬間、夢中でその羽をばたつかせ、浮き上がった。 すると、急にからだが軽くなり、フラフラしながらも飛び去り、難を逃れた。 トンボやチョウにみっともない飛び方だと笑われるが、そんな事は平気だった。 “じぶんの ちからで とべることが、うれしくて うれしくて しかたなかったから。 バッタは とんだ、たかく たかく。 じぶんの はねで、じぶんの ゆきたいほうへ、かぜに のって とんでいった。” “ばったは あれちを こえて、” “はるかに とんでいった。” ・・・と、広大な海をわたっていく絵が最後のページに広がり、 そして、もう1ページ開くと・・・ 勇気と元気、希望を与えてくれる1冊である お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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