中学2年生の男子生徒たちが、次々と飛び降り自殺をして行く。
貫井徳郎が、14歳という子どもたちの心理に迫った力作である。
もし、ある日突然、自分の子供が自ら命を立つとしたら・・・?
親は納得がいくはずもなく、きっと何も気づかなかった自分を、責め続けるであろう。
何ともやるせない作品である。
天使の屍
青木は、夕食後中学二年の息子・優馬がコンビニに行くと言って出かけたきり、
なかなか帰って来ないため、胸騒ぎがして探しに出る。
しかし、コンビニにもゲームセンターにも息子の姿は無かった。
古びたマンションの横を通りがかると、警官たちと人だかりが・・・
そこで青木が見たものは、地面に倒れ伏している人間・・・
首が折れ曲がり、黒い血を大量に流した優馬だったのだ!
そのショックは大きく、死因は自殺だと告げられても、全くその動機が見出せない。
青木は、優馬の死の真相を突き止めようと、
親しかった同級生たちに会見を求め、話を聞きに回る。
しかし、彼らは決して大人に本心を明かさず、青木はなかなか真実に迫る事ができない。
そうこうしているうちに、さらに同級生が一人、また一人と身を投げてしまう。
何故、彼らは次々に自殺をするのか・・・?
青木は、執念で息子の死の理由を探るうちに、ついに衝撃的な真実を知る事に・・・