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May 10, 2006
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カテゴリ:読書

夏目漱石の作品の中で、最も好きなのが、‘こころ’である。

読んだのは、学生時代以来だったが、
少しも古さは感じられず、新鮮だった。

恋は罪悪ですよ 
そうして、神聖なものですよ


先生のこの矛盾した言葉が、恋というものを見事に表している。


先生が若かりし頃、恋敵が現れたとき、
その友人Kに対し、

精神的に向上心の無いものは、馬鹿だ

と言って冷酷にKを突放したのには、恋の残酷さが表れている。


先生という人間に魅了された学生である「私」の目を通して、先生が描かれる前半。

そして、後半では、「私」に宛てられた先生の遺書で、
いよいよ先生の苦悩が告白される。

信じていたものに裏切られ、人間不信に陥っていた先生が、
恋に落ちて、卑怯にも友人を裏切る側に回る。

しかしその事で、罪悪感に苛まれ、
生涯孤独を通した先生に人間味が感じられるのだ。

 

 


  こころ改版





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最終更新日  May 11, 2006 12:02:34 AM
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