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カテゴリ:読書
今朝の新聞で、森絵都の本作品が、三浦しをんの‘まほろ駅前多田便利軒’と一緒に、
直木賞を受賞したことを知った。 そして、私もちょうど今日読み終わったのだ。 私は、森絵都の作品は児童文学、ヤングアダルト向けの著書しか読んだことがなかった。 だから、今回は、どんな作品が読めるのだろうとワクワクドキドキしていた。 風に舞いあがるビニールシート・・・ ビニールシートって? あの青いピクニックなんかで使うあれ? 何のことかわからず、読み始めた。 本書は、6篇からなる短篇集だ。 森絵都は「市井でこつこつと一生懸命働く人たちをテーマに書いてみたい」 という思いで書き綴ったという。 器を探して 犬の散歩 守護神 鐘の音 ジェネレーションX 風に舞いあがるビニールシート の順に様々な職業の人間、生き様が描かれている。 今風の女性の生き方が軽いタッチで描かれている作品もあれば、 仏像に魅せられ、仏師を目指したが挫折し、大きく方向転換せざるを得なかった 不器用な男の生き方が描かれている作品もある。 表題の‘風に舞いあがるビニールシート’は、最後に納められているだけあって、 別格の感がある。 国連難民高等弁務官事務所に勤める里佳は、 上司で元夫のエドがアフガンで死んだという知らせを受ける。 その時から、彼女は仕事が手につかず、いつまでも立ち直れずにいる。 エドは、ビニールシートの話をするのが口癖だった・・・ エドを失って、もぬけの殻になった里佳は、自分の力で立ち上がれるのだろうか? 感動の1篇である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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