この作品は、以前せりのりさんが、ブログで紹介していた桐野夏生の小説だ。
母親を撲殺した、名門高校に通う少年。
その少年に様々な形で関わっていく、私立女子高に通う4人の少女。
この年頃の子どもたちの心の内は、複雑で難解、それでいて単純で稚拙・・・
そんな矛盾だらけの思春期を過ごす子どもたち、
またそのことを本人たちもわかっていながら、どうすることもできないジレンマ。
今年中学に上がったばかりの息子を持つ私としては、これからの彼の学生生活を思うと、
なんだかため息が出る・・・
この作品の登場人物のように、常に鬱々とし、
精神状態が不安定になる時期が、いつか来るのだろうか・・・
面白いなどという感想を持つ以前に、身につまされる作品だった。