|
カテゴリ:読書
昨日1日で読みきった。
ありえない展開、ありえない設定だけれども、 ママである曜子の気持ち、わからないではない。 今は日本に住み、平凡なサラリーマンの夫と結婚し、 中1の娘と幼稚園児の息子を持つこれまた平凡な主婦だが、 実は曜子には暗い過去がある。 幼い頃曜子は、アメリカに住む祖父に預けられた。 実の父を知らず母とも別れ別れになった曜子にとって、 優しい祖父との生活が全てだった。 祖父が死ぬまでの10年間、祖父だけが彼女の理解者だった。 祖父は幼い曜子に、自分の身は自分で守るのだと、銃の使い方を教えた。 曜子の射撃術はみるみる上達し、凄腕になった。 祖父は最後まで語らなかったが、曜子は薄々感じていた。 大好きなおじいちゃんの「仕事」は、銃で人を暗殺することだ、と・・・ 祖父が病に倒れ、「仕事」が出来なくなった時、Kという男から電話がかかってくる。 「仕事」の依頼だった。 そしてあろうことか、祖父の代わりに、曜子がその仕事をやらざるをえなくなる・・・ 祖父の死後、曜子は日本に戻り、何とか人並みに結婚することができ、 今はささやかな幸せを守っている。 もちろん、過去のことは夫にも語らず、夫も詮索しない優しい男だ。 そんなある日、突然過去に引き戻される。 Kから電話がかかってきたのだ・・・要件はただ一つ、「仕事」だ。 曜子は、拒絶しながらも、心が揺れるのだった。 暗殺者という設定自体よりも、今の曜子の状況からして、 過去に人を殺していたという設定に、無理があるように思えた。 でも、曜子の苦悩と、夫の左遷、退職、娘のいじめ問題などがうまく絡まっていて、 面白く一気に読むことができた。 娘をいじめるボスのモネに対し、曜子が脅しにかかるシーンはドキドキする。 子どもに対してやりすぎとはいえ、痛快だ。 最後の方の展開やおとしどころが、読めてしまったのはちょっと残念だったが・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[読書] カテゴリの最新記事
|