30代OLの、迷い、焦り、苦悩が、5編の短篇に、こめられている。
奥田さんのユーモア全開で、女性の本音が気持いいくらいに上手く描かれている。
30代半ばで管理職になったはいいが、依然として会社は男社会、
女を馬鹿にして言うことを聞こうともしない、年上の男性部下。
それを思いっきり反省させてしまうあたり、溜飲が下がる。
こないだまでは男がいくらでも寄ってきたのに、今は誰にも振り向かれなくなり、
職場では、上司から派手な服装を面白おかしくいじられる30代独身OL。
いつまでも若くない、ガールではいられない、焦り。
自分の中では何にも変わって無いのに、周りの見る目だけが変わっていく悲しさ。
う~ん、この辛さわかるよなぁ・・・
でも最後に、「女に生まれたからには、生涯1ガール、女の子を楽しまなくっちゃ!」 と、
いい意味で開き直った主人公の姿に、大喝采だ!
シングルマザーで、バリバリのキャリアウーマン!
みんなに子供がいることで、気を使われたくない、同情されたくない、という一心で、
子供のことを職場に一切持ち込まず、がんばる女性。
おかあさんに迷惑かけまいと、気を使う小学年の健気な息子には、泣かされる。
ああ、みんな歯を食いしばって、がんばってるんだ。
そして、輝いているんだ!
そう思うと、私もなんだか元気になってくるのだった。
ヒロくん マンション ガール ワーキング・マザー 一回り
の5編が収録されている。
ミミコネコさん、私も読んだよ~!!