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カテゴリ:読書
久しぶりに読んだ本である。
本作は、今年森絵都の‘風に舞いあがるビニールシート’とともに、 直木賞を受賞した作品だ。 三浦しをんの作品とは初めての出会いだった。 軽いタッチなので、スーッと読むことができた。 重いものは受け付けなかった最近の私にとって、ちょうどいい具合だった。 東京の郊外に位置する、まほろ駅前の多田便利軒。 ラーメン屋かなにかと間違われてしまうネーミングであるが、便利屋である。 便利屋をひとりでやっているのは多田というバツ1の男。 便利屋には奇妙な仕事ばかりが舞い込んでくる。 そんなある日、多田は高校時代のクラスメイト行天と再会する。 金もなく行く当てもない行天は、多田の事務所兼うちに転がり込んでくる。 行天と親しくもなかった多田であるが、 行天に対し高校時代からある事件をきっかけに後ろめたさを抱えていた。 行天は奇妙奇天烈な男で、何を考えているか何をしでかすかもわからない変人である。 いつの間にか行天との生活が始まり、様々な出来事を通して、 多田の中にくすぶっていた心の澱が徐々に消えていくのであるが、 そのことに戸惑いを隠しきれない・・・ 強烈な印象は持てないが、ユーモアのある作品なので単純に楽しめる作品である。
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