昨日見たテレビ
夕べ「金スマ」に、今年札幌を熱くした男、新庄剛志が出演していた。今年引退宣言をしてから、日ハムを優勝に導くまで正に新庄劇場という感じだったが、彼の人生そのものが劇的で豊かな生き方であったのだ。小学生で野球選手になると決め、それを実現し、プロ初打席で初球ホームランを打ったとは、さすがである。高校時代、才能に恵まれた新庄を妬む先輩たちからひどい嫌がらせ、いじめを受けながらも耐え忍び、自らの力で手に入れたプロへの道だった。しかし、日本だけでは飽き足らず、新庄は阪神の5年契約12億という破格の提示を蹴り、わずか2000万の年俸というメッツを選択し、メジャー入りを果たした。メジャーでは通用しないなどと言われていたが、新庄はみごと1年目から活躍し、日本人初の4番打者となる。だが、その後はけがに悩まされ、差別を受け、マイナー降格を経験するなど、メジャーの光と影を両方味わったのである。新庄は、マイナーでのいろいろな経験に感謝しているという。劣悪な環境、待遇の中で、マイナー選手たちは、ハングリー精神むき出しに、メジャーに上がろうと必死に野球に取り込んでいた。その姿に新庄は感動し、また野球を楽しむということを思い出したのだという。日本に戻り、札幌ドームを満員にすると宣言し、そのためにさまざまな工夫をして、実現した新庄。弱小チームだった日ハムを、わずか3年で優勝するまでに盛り立てた新庄。その陰には、札幌の病院で知り合った難病の少女との約束があったという。それは「日本ハムを優勝させる」という約束だ。少女の病は、肺移植でしか治る見込みはなく、大ファンの新庄に会って励まされ、アメリカで移植手術をする勇気を得る。新庄も彼女のがんばりに応えると誓い、次の日の試合ではホームランを打つという彼女との約束も、本当に果たしてしまうのだ。しかし、しばらくしてアメリカに渡った少女は、手術に間に合わず、わずか19歳の生涯を閉じてしまう。新庄は、彼女からプレゼントされたハート型のかわいい2つのお守りを、いつも必ず試合前に握り締め、優勝への決意を強くしていったのだ。日ハムが日本一になった日、流した涙には、彼女と約束を果たした感無量の思いが込められていたのだろう。新庄は、言ったことは必ず実現させる、まるで魔法使いのようだ。しかも、みなを笑顔にし、キラキラさせる、希望と夢に満ちた魔法だ。新庄を見ていると、嬉しくなる、元気になる。来年は、何をして私たちを幸せな気分にさせてくれるのか・・・私自身、希望に満ちた新年を迎えたい。