のんびり生きる
スローライフと言う言葉が聞かれるようになってから、随分と経ちますね。今まで、十分忙しく生きてきたのだから、少しはのんびりしては?という事なんでしょうけどね。少しは不便でもいいから、もっとのんびりさせておいて貰いたい。尾崎一雄 小説“虫も樹も”よりこの小説が書かれたのが1965年だから、終戦後20年が経った時。前年は、確か東京オリンピックが開催された年。この頃は、アメリカ式の大量生産、大量消費がスタートした頃でしょうか。農家は農薬の怖さも知らされずに、大量の化学肥料で生産量を増やす事に真剣だった頃。尾崎一雄は、そういう風潮に対して、もういい加減にしてくれと言っている。それから42年経った今、もっとその傾向に拍車がかかっていますね。尾崎一雄が、今の時代をどう表現するのでしょうか。きっと、呆れ返っちゃうんでしょうね。利便性を追求し続けた結果、このかけがえのない地球を汚し、更には神は自らに似せてお作りになったと言う我々人間の、自分さえ良ければというすさんだ心の人が増えてしまったようです。都会で生きて行くと、まるで何かにせき立てられるような、追いかけられるような気になってしまう。どんな生き方をしようと、それぞれの自由だからまったく構いません。でも、その生き方が自分が望んだ方向なのかと思える事が大切だと思うんです。気が付いたら、望んでいない生き方になってしまったと言うのであればちょっとまずいですね。私も、実は不本意な生き方をずるずるとして来てしまった一人でした。以前は、お金と言う魔物に踊らされ続けた毎日でしたね。自分を取り戻せたのは、島に来てから。時代の流行に乗るばかりが能ではない。生きていく上で何が必要で何が不要かを考えられる人なら、流行のあらかたは要らない事に気付くでしょう。忙しく生きていらっしゃる方、週に1日くらいのんびりとしてみては?