体脂肪を減らす方法
とんこつラーメンダイエットを始めて、約3ヶ月になります。なぜカロリーの高いとんこつラーメンを選んだのか、正確な理由はもう忘れました。いま考えてみると、二つの理由が考えられます。第一に、とんこつラーメンは私の好物です。第二に、ダイエットは長続きしなければなりません。中途半端に終わってリバウンドするのが一番よくない。そもそも、健全で、やましいところのないものは長続きしません。長続きさせるには、「また食べてしまった。オレは駄目な人間だ」と罪の意識を抱く必要があります。それにはカロリーの多いものほどいい。しかし残念ながら、とんこつラーメンダイエットの効果は、まだ現れていません。途中、とんこつラーメン以外に、カツカレーや、お好み焼きダブルを食べたせいかも知れません。あるいは、一緒にライスや餃子を食べたせいかも知れません。最近、そもそもダイエットする必要があるのか、という疑いが芽生えてきました。とんこつラーメンに飽きたことが、さらに疑いを強めたのです。言い訳を考えることにかけては誰にも負けない私の頭脳が、その疑いを加速させました。実際の私を知る人は、「マッケンジーは太っている」と、まるで示し合わせたかのように口を揃えます。世間の常識で計ると「マッケンジーは太っている」らしいのです。しかし私は、世間の常識に捉われない自由な人間です。世間では私を「常識のない人間だ」と評価してくれます。「もしかしたら、私は太っていないかも知れない」ためしに、家電量販店に足を運び、見本として置いてある体脂肪計で計ってみました。両手で取っ手を持って計る方式です。最初に体重、身長、性別、年齢を入力します。正直度を調べるためかも知れません。念のため、住所や電話番号も必要ではないかと確認しましたが、そこまでの個人情報は必要ないようです。それでも私は、私のプライバシーを護るため、小学校の身体測定時の体重を打ち込んでおきました。計ってみると、私の体脂肪率は23%で、「軽度の肥満」という結果でした。こう見えても、私は、だてに太ってはいないのです。その後、数日ごとに店へ行き、何度か計ってみましたが、結果は22から30%の間でした。(5%から30%の間だと言っても間違いではありません)あまりに誤差が大きいのは、私の個人情報を保護する姿勢の表れでしょう。この体脂肪計は、体の電気的抵抗値を測定する原理を使っています。たぶん、体に電線を埋め込めば良好な数値を示すと考えられます。体脂肪に悩んでいる人は、ぜひ試して頂きたいと思います。インターネットでダイエット方法を調べても、電線のことに触れた内容を見つけることはできませんでした。この方法は画期的なダイエット法かも知れません。書店でダイエットの本を見ても同様の結果でした。ほとんどの本が、摂取カロリーを減らすだけでなく、運動が必要だと書いてあります。テレビを見たり、昼寝をしたりする必要性を説く本はありませんでした。あいにく、私は、カロリーを消費するために運動をするのは好きではありません。カロリーを摂取するほうが、はるかに好きです。うちの事務員の中田さん(女性)は、「スポーツジムに行って、水泳でもしたらどうか」と言います。自分でも週に3回、水泳に通っているのです。水泳しても効果がないことくらい、自分の姿を見て分からないのかと思いましたが、私は敢えてその点は避け、問題点を指摘しました。「水の中にいると、水温から身を守るために、かえって脂肪がつくんです。その証拠に、くびれのあるマグロがいますか?くびれのあるゾウアザラシやトドがいますか?」完璧な反論です。「じゃあ、エアロバイクをすれば?」という中田さんに私は答えました。「エアロバイクに乗ったマグロにくびれがありますか?エアロバイクに乗ったゾウアザラシやトドにくびれがありますか?」ここまで徹底的に論破しないと彼女は引き下がりません。結局、私は筋力トレーニングをすることにしました。筋肉があると代謝が増えて、脂肪を減少させることができるのです。買ったときのまま大切に保管してあるダンベルで鍛えることにしました。筋肉をつけるには、寝る前にトレーニングした後、たんぱく質を摂るのが効果的らしい。私はダンベルを少し上げ下げした後、牛乳を飲んで寝ました。次の日、牛乳をヨーグルトに替えました。さらに、鍛えすぎてボディビルダーのようになっては困ると考え、ダンベルは食べ過ぎたときだけにとどめ、ヨーグルトは毎日食べることにしました。一週間後、ヨーグルトをチーズケーキに替え、ダンベルは中止しました。さらにその後、チーズケーキは、とんこつラーメンに替わりました。結局、寝る前にラーメンを食べる習慣と、内臓脂肪が残りました。