パフューム~ある人殺しの物語~
毎月楽天レンタルでDVDを借りている。で、今回はそのうちの一つ、パフュームを鑑賞した。これ、上映された時、結構話題だった。でも、話題になってたのは知ってても、何がどう話題だったのか詳しくはあまり知らなかった。”衝撃的”というぐらいで。。。。楽天でのジャンルの分類は”エロス”ムムム???舞台背景は18世紀パリということなので、てっきり”クラシック”とか、もしくは”ある人殺しの物語”というサブタイトルから”サスペンス”とかそういうのだと思っていたのだけど、「エ、エロス????」H映画???いやいや。でも、関西番組の「ちちんぷいぷい」でも角さんが紹介してたぐらいだから、そんな変ないやらしい映画でもなかろう。そう思って借りた。・・・・・・・見始めてすぐに萎えた・・・・。なんというか、最初から気持ち悪い。グロテスク。映像が汚い。18世紀のパリの下町。魚の腸にまみれた映像。虫やら汚物やら・・・。”香る映画”という紹介を聞いたことを覚えているが、”香る”というより”臭う映画”。パフュームというタイトルなのに、”匂う”じゃなくて”臭う”。頑張って最後まで見たけれども。万人受けしない映画。この映画のどこが評価されるのだろう???確かに、映像だけで匂い(いや臭い?)を感じさせるような映像作りや、グロテスクなばかりじゃなく妖しいまでに美しい部分もあってそういう対比なんかすごいなと思ったり、主人公グルヌイユを演じるベン・ウィショーの演技力に圧倒したりもするけれど、ストーリーとしては、猟奇殺人者の話。何の罪もない若い女性を次々と殺していく話。もちろん、殺人そのものが目的じゃないのだけど、だからって、この主人公の殺人にはなんの正当性もないわけで、そんなことに奥深さも何もあったものじゃない。ぜんっぜん感情移入できない。終盤の処刑シーンもなんでそうなる?いや、まぁ、それだけすごい力のある香水なんだろうけど。世界をも支配できる香水。だからラストがああなるんだけど。ある意味コメディーか?いやでも、衝撃!怖いわ。「エロス」というジャンルに分けられているのが納得いかない。サスペンス?いやホラーでもいいぐらい。それぐらい気持ち悪く恐怖さえ覚える映画。ロバート・デ・ニーロの「フランケンシュタイン」という映画。これのジャンルはホラーらしいのだけど・・・。私はホラーじゃないと思う。フランケンシュタインは怪物で、最初はその醜悪な風貌に驚きもするんだけど、ロバート・デ・ニーロ演じるフランケンシュタインが、あまりにも人間くさくて、切なくて、その風貌なんか気にならなくなる。人間の手によって寄せ集めでできた怪物でさえも愛を知っているのに、パフュームのグルヌイユは人間であるのに愛を知らず、10人以上殺害していく。こっちの方が怪物よね。「フランケンシュタイン」を見たのは10年以上前だけど今でも心に残る映画として覚えている。この映画の方がよっぽど感慨深いものがあると思う。 映画より原作の方がいいらしい。