1学期間で印象に残っている子どもの一言 3
3 "What do you like?"これまた、竜太郎くん(仮名)のクラス、4年2組での1コマ。4年2組の子ども達とは、理科、図工、英語でかかわっています。2組には、とても恥ずかしがり屋でチャーミングな女の子がいます。発達障害を抱えていますが、彼女の持つほんわかとした空気は、クラス全体に伝わり、また、クラスの子ども達も彼女の良さを認めていて、クラスの雰囲気がとても優しい感じです。しかし、とっても恥ずかしがり屋のため、人の前で声を出すことをほとんどしません。英語でのペアワークでも、声を出さないので、彼女は、「声を発してみようとすること」に重点を置いて、支援してきました。7月のある日。その日のキーセンテンスは、"What do you like?" "I like ~."手拍子とリズム(タッ・タ・タ・タン)をつけて、"What do you like?"の練習を、ひとりひとり、全員の前で私の後について発音しました。そして、たまたま彼女が最後に言う番になりました。「きっと言えないだろうなぁ。 2,3回『頑張ってごらん。』って言ったら、もう次へ行こうかな。」なんて思いながら、"What do you like?"と言うと、とてもかわいらしく、けれど、とても力強い声で、"What do you like?"一瞬、時間が止まりました。皆の時間が、止まりました。けれど、その後、割れんばかりの温かい拍手があがりました。その拍手は、ずっとずっと続きました。その子の頑張りに感謝をし、その子を認めてくれたクラスの皆に感謝をしました。そして、「相手が伸びていくことを、いつも信じていたい」と強く思いました。私を成長させてくれた子ども達に、とても大きな感謝の気持ちです。その後、その子は少しずつではありますが、声を出すようになりました。英語ではゲームのとき、声を出して伝えることをし始めました。英語に限らず、理科や図工でも、何か用事があると、私のところへ来て、言うようになりました。また、理科のときも、初めて発表をしました。今でも忘れられない、「とんぼは、田んぼにいます。」とてもとてもとても嬉しいです。