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カテゴリ:父を想う
お盆以来、こどもと私だけでのんびり実家に帰った連休。途中、もう大丈夫だろうとわざと父が入院していた病院の前を車で通ってみたら、自分でもびっくりするくらい動揺して視界が一気に曇ってダメだった。まだまだダメだった。 なにも変わらない風景のなかにいて、父さんだけが「おかえり~よう帰ったね」と出迎えてくれないことがいまだに不思議でさびしくてやっぱり泣けてくる。はぁ。相変わらず母とは会うたびにおんなじ話ばかりしてしまうし。 「なんで死んだんやろう」「なんであのときもっと…」 もうやーめた!!結局お父さんは死んでしまったんだからもう仕方ないでしょう!苦しみから解放されてあの世で楽しくやってるはず。いつまでもグジグジしたらお父さんが悲しむだけやろ!…とわかってはいるんですけれどね いまだ片付けられずそのままになっている父の書斎に明かりをつけて、ぼんやりした。 机のまわりには実にいろんなものが飾ってあってちょっと笑いが出る。 私が子供の頃に書いた手紙、修学旅行のお土産、習字の生徒さんからのいろいろなプレゼント、自ら拾い集めたドングリや木切れで作ったおかしなオブジェ、孫たちを笑わせるための自作のお面、その他変装グッズ…まったくいつまでも子供の心を持った本当に面白いオジサンだった。常に先を見据えた生き方がいいと尊敬していた坂本竜馬とおりょうさんの写真はいつからそこにあったのだろう。後からわかったことだけど、竜馬暗殺の日が父の命日でもあった。なんかちょっとかっこよくないですかお父さん。 カレンダーが去年の夏でとまってる。2010年8月5日で65歳になったばっかりだったよね。 「面白きこともなき世を面白くすみなすものは心なりけり」とうたったのはかの有名な幕末の志士、高杉晋作。 父はまたこの句が大変好きで、デスクの前にさらさらと筆字で書いて貼っておりました。 病院のベッドの上でももしかしたら、この句を胸に、笑顔を忘れず希望を持ち続けたのではなかろうか。 お父さん知ってた?きょう偶然知ったことだけれど、8月5日は高杉晋作の誕生日でもあるらしいよ なんかますますかっこよくないですかお父さん。 この机で遅くまで書きものをしていた父の背中を想像しながら、ひとり想いを巡らせた私でした。しめっぽい話ばかりいつも読んでくださってありがとうございます お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年05月05日 00時28分12秒
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