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カテゴリ:北海道のワイン
晴天の26日(日)
札幌ワインアカデミーのO先生が生徒さんを引率して千歳グレースワインに行くと同じくそちらで講師をしている友人に教えていただいたので、急遽ご一緒させていただくことになりました。 中央葡萄酒といえば勝沼の伝統ある甲州の雄ですが、北海道千歳市にご縁がありワイナリーがあるのです。 主力商品は、ピノ・ノワールと、やはり数々の受賞でその品質の高さを証明されているドイツ品種の「ケルナー」です。 今回ご案内下さったのは北海道の若手ヴィニロンの中でも勝沼の中央葡萄酒本社の経験を経てハイレベルの経験と知識をお持ちの青木氏 醸造の前は栽培にも携わっていらして、勝沼で畑を視察するデュブルドゥー教授とテレビに映っていたと記憶しています。 青木氏から醸造の流れに沿っての説明があり、皆さんが質問してゆくような形で進めて頂きました。 今回青木氏には醸造のお忙しい中、醸造の流れが良く理解できる写真のチャートや解説の資料も作製してくださり、初級クラスの皆さんにもとてもわかり易く酵母が糖を食べて温度が上昇して醗酵を司り、人類が生み出した技術で醗酵を止めるまでのプロセス、醸造の流れやしくみがわかったと思います。 青木氏が学生時代専攻された酵母について 酵母が糖を食べて分裂増殖する模様を600倍の顕微鏡で見せて頂きました。 また、ピノ・ノワールのMLF(ワイン中に含まれるりんご酸(うまみ成分)が乳酸菌の働きによって乳酸と炭酸ガスに変化する事、マロラクティック・フェルマンタシオンの略)の際に見られる乳酸菌の増殖の模様も同じく顕微鏡で見せて頂きました。 青木氏はMLFのタイミングを顕微鏡で確認するおそらく日本で唯一の技術の持ち主です。 瓶の写真は醸造途中の酵母の働きを知る為のサンプル微発泡が見られるが写真では確認できない。 赤いふたの容器は醸造過程の酒石と酵母(まだ石灰のような細かいもの) 酒石は先日の日記で紹介した上質の白ワインの瓶の底によく見られるキラキラ光る結晶 酒石は温度が下がると出てくるという特性を活かし、醸造途中の酵母を酒石によって取り除くために温度を下げる。 カップ左から ろ過するためのベントナイト→ベントナイトでのろ過は通常1週間位かかるそうです。 酒石酸 りんご酸 醸造過程の有機酸は酒石酸、りんご酸でほぼ90%を占めるそうです。 試験のときに覚えたクエン酸、ガラクチュロン酸はほんのわずか… そしてPS.アマ様 苦味は醗酵途中【マセラシオン(かもし)の最中】アントシアニン、カテキン、タンニンの成分がマセラシオンの期間と温度によって作用する醸造由来のものだとの事です 貴重なコルクの写真↑ ちなみに 醗酵を止める技術 醗酵に有効な酵母の働きを抑制したり、アルコールでも死なない馬小屋臭や味噌樽臭など悪さをする悪玉的な酵母の動きを止めるためにSO2が必要であり、ただ単に酸化を防ぐためのものではない。 私は醸造とは人類によって醗酵を止める為のテクニカルな努力によって生まれた文化だと思うので あえてSO2賛成派です 自然に全てを任せるビオもよいのですが、酵母の臭いが気になるので… 勿論美味しいビオなら大歓迎です 試飲したワインの数々です 今年の葡萄は糖度が23度以上も上がった素晴らしい葡萄たちです。 ぶどうジュースは金色の露 先日も飲んで日記にアップした05のケルナー甘口が非常に美味しくて購入して参りました。 06のピノ・ノワールも今からとても楽しみです 大変有意義な時間をありがとうございましたm(__)m お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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