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カテゴリ:心をめぐる冒険
今日、ある会社の面接を受け、その帰りに水道橋で、
名古屋に帰郷する予定の友人と飲んだ。 このところブログを更新することもなく過ごしていたので、 そのうち彼がこれを読んでくれる日を待ちながら、 何かを書いてみようと思う。 彼が今夜紹介してくれた魅力的な女性も、 これを読んだら、そうそう、と頷いてくれると思う。 その人は、頑固でプライドが高い。 潔癖といってもいいくらいに高いプライドのせいで、 彼は自分が本当に感じていることをなかなか口に出すことができない。 それは鬱屈し、変形し、 不気味な形で彼の中で渦巻いているように見える。 「自分はまだまだ駄目だ」と常に言い聞かせることで 自分を保とうとしている。 そういう点で、私と彼はよく似ていると思う。 自己評価が怖ろしく低く、 それでいて、得体の知れないプライドがどこまでも高い。 「俺は駄目だ」と言いつつ心の底ではそうは思っておらず、 同時に周囲を見下す自分のプライドの高さに手を焼いている とでもいう感じだ。 いや、むしろプライドの高さは不動のものだと言うべきだろう。 そこだけは頑なに頑固であり、 あくまで自分というものにこだわり続ける。 自分の体臭がどことなく癖になるように、自分の味覚にこだわり、 自分の感覚にこだわり続ける。 そのバランスの取り方が、彼という人間の最大の魅力なのだ。 自分の美学をどこまでも大切にしつつ、とことん自分を蔑み、 同時にプライドの高みからそのすべてを見下ろしている自分を 扱いかねている。 四方八方に引き裂かれている男だ。 彼と出会ったのは保育園の頃である。 それから20年以上が過ぎた。 かつて私の振る舞いから絶交を言い渡されたこともあるが、 その付き合いは今も続いている。 「不器用な程、頑な」と呼ぶのが一番ふさわしい彼だが、 これから彼は東京を離れ、帰郷しようとしている。 ここまで、彼の長所を書いたのか、短所を書いたのか、 もちろん私は長所を書いたつもりなのだけれど、 彼がなんと思うかはわからない。 彼はこれから小学校の教師になろうとしているのだけれど、 それが彼にとっての長い間の夢だった。 本当に良かったな、と握手を交わしつつ、 自分の不完全さの合わせ鏡のように、愛憎もつれ合いながら 決して完全に喜び合うことのできない存在が 親友というものなのではないか、と私は思っている。 それは私の心が偏狭なせいだけかも知れないが、 喜びつつ、心の最底辺では微妙な気持ちが横たわっていることを表明する方が、 彼もよく分かってくれるのではないかと思っている。 手放しで、「分かったような顔」をすることはできないのだ。 認めつつ、否定しながら、 突き放しつつ、結局手を取り合おうとする、 そんな厄介極まりないものが、私にとっての親友だと言えるだろう。 だから、そんなことが続いていくような気がしている。 きれい事など、白々しいのだ。 君がこれを読んだら、また、会おう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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