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テーマ:山登りは楽しい(12247)
カテゴリ:山
先月に続いて、今月も丹沢塔の岳に登る。
今回は初心者(僕だってそうだけど)二名と登る予定だし、一人は埼玉から来るというのでゆっくり登って尊仏山荘に一泊することにする。 前日に実家に戻り、天候をチェック。帰るときは雨が降っていたけれど予報は翌日の晴天を告げていたし、雨が降って塵が静まれば十月の空はそれはそれは美しいものになるだろうと思って眠りについた。 午前6:30起床。集合時間は10:00に渋沢駅だったけれど、僕は地元民として天候のライブチェックをしなければならないので早めに起きた。もともと貧乏性なので休日は隅から隅まで使おうと早起きしてしまうのだけれど。 まだ上京してから四ヶ月ちょっとしか経っていないけれど、10年以上寝ていたベッドに違和感があるのは不思議だ。生活環境への適応はいつも「上書き保存」でなかなか「名前をつけて保存」できないみたいだ。そのうち僕を動かすOSも書き換えられてしまうかもしれない。 そんなことはさておき、カーテンを開けて空を見ると、不思議な雲と空が見えた「刷毛で引いたような雲」とはよく聞くけれど、こんな感じなのだろうか。ベランダに出て写真を撮っておいた。 朝食を食べて、7:30に同行者二人に決行のメールを送信。父親が最近買ったCANONのD40だったかをいじらせてもらう。ライブビューつきとのことだったが、彼にもまだ使い方が分からないらしい。あまり指紋をつけても悪いのでさっさと返した。 10:00に渋沢駅集合だったが、一名が予想通り遅れてきた。駅のベンチに座って先に来た人と話す。考えてみればこの駅の改札を数え切れないほど通過してきたけれどベンチに座って話しをするなんて初めてのことかもしれない。彼女は九月に富士山に登ったそうで少しずつ山登りの楽しさを感じているようだ。とても澄んだ暖かい空気のなかで時間つぶしに話しに興じていると、なんだかこれから登山するような気分ではなくなってきた。 小一時間待ってもう一名が到着。話し込んでいたのでそんなに時間が経っていたことに驚いた。コンビニで食糧を買い込みバスで大倉登山口へ。なにやら大量に買い込んでいたがそんなに食べるのだろうか。まあ食べ物はあるに越したことはないけれど。 大倉口についてストレッチして登る準備をする。もうすでに太陽は真上に来ていて、ドライメッシュのノースリーブ一枚でも十分暖かい。どんなに遅く歩いても4時間半はかからないし、まだこの時期の日没時間なら大丈夫だろうと思っていたけれど、少し不安になる。 11:50に登山開始。正直なところ、こんなに遅い時間に登りはじめるのは初めてだ。しかも一人は初めての登山で、先週登山靴を買いにいくのにつきあったばかりの人。ゆっくりと休憩をまめに取りながら歩くようにした。カラダはしんどくないか、足は痛くないかと時折確認しながら歩いた。 幸いなことに天気はまずまず。ときどき雲がかかるけれど、雨が降りそうな兆候はまったくない。二人のペースにあわせて歩くと、うっすらと汗をかいて、とても気持ちがいい。この空気や風が全て無償で提供されていることが、とても貴重なことに感じられる。目に付いたことや思いついたことをポツポツと話しながらゆっくりと歩く、こういうのってなかなかいいものだ。 途中昼食を摂るために大休止を一度取り、覚えていられないくらいの小休止を取り、花立小屋到着。ここまでくれば、塔の岳山頂はもう目の前。雲が少しかかっていて伊豆半島のほうはあまり見えないけれど、三浦半島、東京湾、房総半島方面はけっこう眺望がいい。それよりもなによりも空がとてもきれいだったので写真を録っておく。芭蕉でなくても漂泊の思いやまない気分になるような雲だった。 16:30塔の岳山頂到着。約4時間半かかって着いたわけだが、同行者2名も疲労の中にも笑顔が浮かんでいてこちらも嬉しくなった。だいたいのガイドブックには3時間半と書かれているが、まああんまり気にしないことにする。 山頂でひとまず息を整えて、尊仏山荘でチェックイン。もうすぐ日没なので三脚をセットしにまた外に出る。山頂はいつものように風が吹いていて、けっこう寒い。まあガタガタ震えながら写真を撮るのはけっこう慣れているので、ジャケットだけ着て寒さをしのぐことにする。山頂に来たころから急に雲が晴れてきて、登っている途中には見えなかった富士山がくっきりと見えていた。同行者2名も眺望の美しさに感動しているようだった。 そして16:40すぎに日没が始まった。ちょうど太陽が富士山の頂上に沈んでいく。先月ここへ来た時にダイヤモンド富士は10/18あたりと聞いていて、今日は日没が見られれば御の字だと思っていたけれど、ばっちり山頂に沈んでいった。 いちおうダイヤモンド富士と言ってもいいのではないだろうか。ひょっとしたら『全国ダイヤモンド富士認定委員会』みたいのがあって、そこの発行する認定書がなくちゃダメとかそういった取り決めがあるのかもしれないが、非常に私的にはダイヤモンド富士であったと思う。あとで尊仏の主とも話したが、こんなにキレイなのはしばらく見たことがないって言ってたので、そういうことにしておく。写真はうまく撮れなかったけれど。 言ってる間にラピュタの歌のように地球は周り、僕らのダイヤモンドを隠してしまった。あのどれか一つに君がいるから~♪って一つしかないんですけどね。 富士山もいいけど、焼けた雲が綺麗で、ベトコンの影に怯える新兵の機銃手のように写真を撮りまくってしまった。 さすがに寒さに耐え切れなくなってきたので、山荘に入り、ビールで乾杯して、持ってきたウィスキーを飲んで、尊仏名物カレーライスをたらふく食べる。いつ食べてもこのカレーはおいしい。 とっぷり日も暮れたので夜景を撮りに表へ出て行き三脚を立てて、いざいざ撮影タイムと思ったところで、バッテリ残量警告が・・・先週友達の結婚式にカメラを持っていってそのままにしておいたことが、いまさらのように悔やまれる。だってダイヤモンド富士は二日前だって言ってたじゃん・・・小屋に戻って布団に入ることにした。 ■今日の教訓 ・備えあれば憂いなし。 ・光るもの全てが黄金とは限らないが、ダイヤモンドじゃないとは言ってないよな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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