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ミノルトトG@ Re:偶然ダイヤモンド(10/20) お元気でしたか!都民同志、これからもヨ…
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2008.09.20
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「お食事の準備できました」
意識の向こう側からの声にハッと目が覚めた。
時計を見ると5:31だった。山小屋に泊まるとだいたい早発ちの登山者が準備を始めて、周りが4時すぎくらいからガヤついてくるものだが、他の利用者がひとりしかいないので熟睡してしまったようだ。僕も夜明け前に星を見に行ったり、写真を撮りに行ったりで3時くらいには起きるので、小屋のスタッフに起こされたのは初めてだった。

またふたりで朝食を食べる。昨日10回くらいは話したような気がするけれど、また話題は天気の話だった。準備を整えて彼に遅れること10分、6:40に槍沢ロッヂ出発。天気は曇りだが、雨の降りそうな気配はない。

昨日、登って下った道をまた登るが、風呂とビールとおいしいご飯とドストエフスキーのおかげで気分は爽快。ダラダラした平地歩きではなく、心拍を刺激する傾斜が続くのもいい。

しばらく歩いていると下山してくるおじいさんとすれ違う。ちょっと立ち止まってスモールトーク。だいたいは「どこから来たのか?」そして「どこへ向かっているのか?」と言う話題だが、今回もそうだった。おじいさんによると上は「ピーカン」とのこと。ピーカンってまだ使うんだなあと思いながら別れる。

昨日、引き返したところまできたあたりでピーカンになってくる。ガスが取れることはなかったが、清浄な空気の中で空は青く、緑がまぶしく、朝日を受けていろいろなものが輝いて見えてきた。このへんまでくると登山道ではなく広大に広がるガレ場を岩に記されたペンキのマークを目印に歩いていくことになる。

ピーカン(死語、埋葬済み)

8:20に天狗河原分岐に到着。左側に行けば南岳。右が僕の目的地の槍ヶ岳。90分ちょっと歩いたのでちょっと休憩する。標高はガイドマップによると2348m。森林限界近くで背の高い植物はだんだんなくなってくる。

天狗河原分岐

さらに高度を稼いでいくと、ガスがわずかな間途切れ、いよいよ目的地の正三角形がドン!と見えてきた『ワンピース』なら「どん!!」という書き文字が後ろに書かれるような圧倒的存在感だ。ちょうど2人の登山者が下りてきたので会話しようとしたが、またもや中国の人でほとんど会話にならず、別れる。

どん!!

9:20に坊主ノ岩小屋という岩の下に出来た天然の祠のようなところに着く。江戸末期に槍ヶ岳を開山した偉大なる変態、播隆上人が拠点としたといわれている洞穴だ。中に入ってみたが、ドラクエと違って特にアイテムを手に入れたりは出来なかった。けっこう歩いてきたので大休止。途中の水場で汲んできた水を飲んで行動食のドライフルーツを食べる。風はなく、陽射しは温かく、標高2500mにいるとは思えない陽気だった。

どどん!!

10:30ごろ殺生ヒュッテ前に着く。下から見ると石垣を積み上げたちょっとした砦のように見える。『プライベートライアン』で任務に忠実なドイツ兵が、ヒトラーの電動ノコギリを乱射していたシーンがふと頭に浮かんだ。そうだった・・2時間睡眠の前日は、久しぶりにミラー小隊のフーバーを見ていたから4時間しか寝ていなかったんだった・・。


殺生ヒュッテから槍ヶ岳山荘はもう目前だけど、殺生ヒュッテの石垣をぐるりと右に廻って東鎌尾根に上がることにする。ガレ場歩きはもう飽きたし、何より稜線に出たい。
というわけで落ち込んだ崖を右手に見ながら、ヒュッテ大槍を目指して歩く。ところによっては道幅が人がすれ違えないほど狭く、落ちたらたぶん助からないようなところもある。けれどやっぱりこういうところのほうが楽しいのも事実だ。

東鎌尾根登山道

といってる間にヒュッテ大槍のある東鎌尾根に出る。西側には槍ヶ岳がどーん!北東には大天井岳がどーん!・・と来るはずだったがガスで見えない。天気は良いのだけれど、風がない分、なかなかガスがクリアにならないようだ。

東鎌尾根からみた槍

それでも好天の中の切り立った稜線歩きは楽しく、危険な場所を歩く時の緊張感も魅力の一つだ。ところどころに設置されたハシゴを登り、ペンキの○マークを目印に歩き、ときどき落ち込んだ谷側を覗き込んで恐怖を感じるなどして歩いていると槍ヶ岳が一歩一歩近づいてくる。

植草教授的視点で槍ヶ岳を見る

いよいよ槍ヶ岳のサウスフェイス直下の最後の細い道を歩き、11:20に槍ヶ岳山荘着。スタッフに荷物を置く許可をもらって、サブザックに三脚と防寒義と水を入れて槍ヶ岳への最後の100mを登ることにした。

ここからの登りがある意味、槍ヶ岳登山のクライマックスだ。正三角形のような形をしている大槍の斜面をクサリを手がかりに攀じ登っていくことになる。ちょうど僕が登りはじめようとしたときに、昨日いっしょに槍沢ロッヂに泊まっていた男性が下りてきた。彼によると上には誰もいないとのこと。頂上渋滞が起きることで有名な山なので、これはなかなかの幸運だ。

三点支持を心がけてひたすら岩場を登る。ときどき振り返って誰か下にいないかを確認。先週、上にいた人が落とした石が当たって滑落し、足を折った人がいたというニュースをネットで見たばかりだったので、単独でも石を落とさないように登る。

ラダー・トゥ・ヘブン

つづく





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Last updated  2008.09.25 21:54:01
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