美味しさより楽しさを
11月10日 金曜日】 毎週開催のワイン会です。 毎週なので、色々なテーマがあるのです。 今週はインポーターさんを囲む会です。 いつもはご近所の当店の担当に来ていただくのですが、今夜は? いつも忘れた頃に、商談ではなくご挨拶みたいにしてこられるインポーターさんです。 フードライナーといいまして、神戸が本拠地で、私は日本を代表する、イタリアワイン専門のインポーターと思っています。そこの明渡さんといわれる、古株の方を囲んでのワイン会です。 いつもワせっかく来られたのだからと商談を致します。その商談の内容があまりに、興味深く、私一人で聞いているには、あまりにも惜しいので、遠いところを無理を承知で来て頂きました。1. 2005 フラスカティ スーペリオーレ セッコ/ポッジョ・レ・ヴォルピ (ラッツィオ州) \1,3002. 2005 インソリア I.G.T./クズマーノ (シチリア州) \1,4003. 2004 “ポディウム” ヴェルデッキオ・ディ・カステッリ・ディ・イエージ・クラシッコ・スーペリオーレ/ガロフォリ (マルケ州) \2,5004. 2003 フォルムレ I.G.T./バローネ・リカゾーリ (トスカーナ州) \1,5005. 2004 “エリーマ” モニカ・デ・サルディニャ/パーラ (サルデーニャ州) \1,8006. 2005 ベヌアーラ /クズマーノ (シチリア州) \2,450 今夜はワインのメモはしておりません。 楽しく、明渡氏の話に聞き入っていたからなのです。一晩たっても覚えている事を書き留めます。トッパシから彼の言葉は イタリア人は、我も我もと主張をするのです、ですからラベルも土地のDOCGは小さくとも、自分の主張したい事は大きく書いてあるのです。」1のフラスカティでは、二種類のマルヴァジアが使われます。その秘密を語ります マルヴァジア・ビアンカ・ディ・カンディアとマルヴァジア・デル・ラツィオの二つがあって、カンディの方は量産が出来、病気にも強いから、コストが安く栽培できる。安いフラスカティはこれを殆ど使用している。これでもそのままDOCが名乗れるのですから。でもこのフラスカティは、ラティオの方を使うので、味わいが繊細で優しくなる。」 マルヴァジアのカンディとラティオの関係ってローヌのプティ・シラーとグロ・シラーの関係ですか? すみません、イタリアワイン以外はわからないです 皆さんから納得の爆笑をすかさず獲られます。 確かに優しい。甘さを感じるほどに、それでもこれは辛口です。2のシチリアの話では、島の大きさは、九州と北海道の間ぐらいですか? すみません、そんな事は思った事がないですわ 何度もシチリアに足を運んだ方、あまりに方の力が抜けている。その抜け加減は、周りに優しさを広げます。 シチリアの観光地は夜に歩いても安全なのです。マフィアの親分さんたちは、観光地が収入源なので、観光の方が減る事は死活問題で、警察より厳重に手下を管理しているからなのです。観光地から離れると知りませんよ。ですから観光地では夕方からでも現金持って安心して買い物が出来ますよ。そして暖かい印象のシチリアは、意外と寒いんですよ、私はその暖かい印象で乗り込んで、大失敗しました。エトナ火山は3000m級の山で、万年雪もあって、季節にはスキーが出来るのです。 知らない事は知らない。それ以上に知っている事は、彼の楽しい話は止まらない(^o^)3長い名前ですね~これはいかんでしょ・・・ ポディウムは一等賞の表彰台の事で、この場合は商品名です。その後にDOCの名前で、イエージ城の周りのヴェルデッキオ種のワインだから、こんなに名前が長くなるのです。それぞれに意味があるから、ゆるしたってぇ~な。 このワインは価格が異なるためか、先の二種類はそれなりに美味しかったが、こちらは、ピンと来る焦点の定まった、先っちょが遠い果てまで続くような骨格(ストラクチャー)のハッキリとした、背筋が伸びる思いのする、キッチリとしたワインでした。4フォルムレは? ここのリカゾーリは・・・(キャンティの鎌倉時代の話に、DOCの制定までに至る)、、、フォルムレはフォーミュラと同じ意味で、カテゴリーの意味なのです。その昔のキャンティを偲んで仕込まれるのです。。。 ブローリオも美味しいが、これもその下のクラスでありながら、美味しい。キュートさが、明渡氏のコメントで増してより美味しく感じる。・・・ 限界(^^; 後はあまり記憶にない。5サルディニアのワインは・・・6これはかなり美味しい。。。ネロ・ダヴォラという臭みを持ったその品種の個性から逸脱していた。 総じて思った事は、この他にも、プレゼントと称して更に高価なワインたちも頂いた。 ふと気がついたのは、飲み飽きしない。 かなり飲んでいるのに、飲み飽きしない。明渡マジックに陥っているのか?? 現地の写真や地図からパンフレットから果ては葡萄品種ガイドブックまで、膨大な資料を惜しげもなく提示して語る、彼の言葉の一つ一つが、ワインを更なる美味しさに導いてくれた気がした。 まだまだ修行が足りません。 インポーターには名物な担当者がよくいらっしゃいます。 よくよく考えれば、その方たちは、だれそれが「何点獲った」なんて話は本当に付録程度。自分の見たことを、体育会系で実体験に基づいてお話される。 そんな方々と一緒に共に高めあってきた、なんとも言えず、目に見えない財産を再認識させて頂いた夜でした。 参加された方のご感想は、一様に、どのワインがどうだこうだ、、、の前に、楽しかったと笑顔。それも私の財産に思わせて頂きます。 ワインは味わいを伝えるのは二の次。 楽しさを伝えてナンボと実感しました。人気ランキングへ