38万円の掃除機
先日の母の入院の日の、舅の一言以来、舅とはろくに口も聞いてないし、また聞きたくもない。向こうは、何か話しかけたそうだが、こちらが相手しないし、したくもない。まだ話す気分になれないのが正直なところ。そんな舅が、本当に久しぶりに二階の我が家へ上がってきた。舅「陽菜子さん、ちょっと来てもらえないかな・・・」私「何か御用ですか?」舅「アキコさんが来てるんだよ、仕事始めたらしいんだよ」アキコ・・・久々に聞く、実に嫌な名前、あの、金欠大王義弟トースケの嫁のアキコ、へぇ、アキコが仕事ねぇ。何の仕事始めたんだ?知らん顔してようかとも思ったけど、上にまでアキコに上がってこられるとイヤなので、顔だけだすかと思い降りて行った。すると、アキコは、お前さん、いまから就職活動か?みたいな紺のリクルートスーツ着て、あれは、どう見てもリクルートスーツだなぁ、いかにも塗りました、みたいな化粧して。私の顔見るなり義弟嫁「あら、お義姉さん、お久しぶりです。あのですね、私、今度お勤め始めたんです。それで、今回、ご案内に来たんです」私「何の案内?新しい家賃の踏み倒し方法でも?」義弟嫁「もう、お義姉さん、いやだぁ。あのですね、今日は、エアコンのクリーニング1000円でして差し上げます。1階済ませてから2階もしましょうね」私「断る、いらない。」舅「陽菜子さん、そう言わずさぁ、せっかくアキコさんがサービスでしてくれるって言ってるのだから」私「あのね、お義父さん、お義父さんがお義母さんの留守中にどこのどなた様を家に上げようと勝手ですし、私が口出すことでもないですけどね、何かあってから、処理に困ってうちを当てにされると迷惑なんです。アキコさん、あんた家賃も何ヶ月も滞納しておいて、何を売りつけに来たの。何の商売始めたの」義弟嫁「お義姉さん、そんな言い方ひどいです。私だってお家賃を払おうと思うから、仕事始めたんで・・・」私「あのね。エアコンの掃除しようが、シロアリ駆除しようが、あんたの仕事かしれないけどね、2階のうちの家に少しでも湿気が上がってきたり、虫の1匹でも飛んできたら、承知しないからね」これだけ言い捨てて私は2階へ。1回1000円のエアコンクリーニングは実は数日前にも実家へセールスが来たと父が話してたばかり。父はそういう時、身内にそのセールスと同業が身内にいると言って断るのがいつものやり方。しかし、その時は、ちょうど姉が帰宅したときで、玄関でセールスと鉢合わせ。そのセールスのニイチャン、姉からコテンパンにやり込められて逃げ帰ったという話を聞いたばかりだったし、我が家のエアコンは、先月、ダスキンに頼んで、中まで掃除してもらってた。そんな1000円どころのものじゃなかった。もしかして、スプレー、シュッだけ?まさかね・・・1階のことは放っておいた。姑が今日は午前中だけの勤務で帰宅することも知ってたが、舅やアキコにはそんな事教えない。誰が教えるかって、まぁ意地悪な無関心な兄嫁12時をちょっとすぎた頃、姑の車の音が聞こえてきた。さぁ高みの見物ギャラリーは黙って見学、と。玄関を開ける音と同時に、二階どころか近所中に響くほどの姑の叫び声「(怒り口調で)アキコさん、家賃払いに来たの」それから15分ぐらい、隣近所からクレームが出るのじゃないかって程の姑の叫び声。「どのツラ下げてきたか」「何ヶ月家賃貯めてるんだ」「ゴミだしで何度文句言われたと思ってるのか」「親が病気してるってのに見舞いにも来ないで」・・・約15分経過した頃、姑が「陽菜子さん、陽菜子さん、ちょっと降りてきてぇ。」しゃぁない、これ以上叫ばれても近所迷惑だし、降りて行くか行った、案の定、そこに置いてあった商品は、掃除機らしきもの。大方検討は着いてたが、そ知らぬ顔で、内心、バァカメ~と思いつつ私「どうしたんですかぁ」舅「アキコさん、帰ってくれんか、そしてなトースケにも連絡するから、あの家、出て行ってくれ、あんたらに貸す家はない」義弟嫁「(口、尖らせて)そんな事言われたって、どこ行けばいいんですか」舅「どこでも行ってくれ、もう俺は知らん」姑「陽菜子さん、聞いて。あのね、このバカジィがね、この女を家に上げたんだって。エアコンを1000円で掃除してくれるって、でねしてくれたらしいのよ、掃除済んだら、元々、床掃除業者です、1畳1万円で掃除するんだって。今日は、サービスも兼ねて台所の床を掃除してくれたらしいんよ、その時つかった掃除機が38万だってさ、即金なら38万、即金じゃなかったらリースで月々3000円、ボーナス時25,000円加算、それで7年払ったら、この掃除機、うちの物になるんだって。84回払いだってさ。38万の商品に60万も払うんだって。でね、このトースケ君のお嫁さんがおっしゃるには、二階と共同で買えばだって。どうする、陽菜子さん」私「いらないって。断ります。お義母さん、契約をする、しない、は、お義母さんもしくはお義父さんがお決めになることですから、私は何も言いません。但し、私は、最初にお義父さんに言ってます。何かあってもうちを当てにしないでください、一言、助言させていただきますと、リース契約が何かご存知なのでしょうね?」言うだけ言ってさっさと二階へ。その後も10分ぐらいかな、怒号の嵐でした。本当に、アホとバカ狸とキツネの騙しあいみたいなもの。夕方帰宅した旦那に話したら、「どうしようもねぇバカだな」私「誰が?」旦那「親父もアキコさんも、ついでにトースケも。あのアキコさんが営業できるとは思えない。長くしないでやめるだろうな」また当分は、トースケ&アキコは近寄らないだろうと思うけど、この次来る時は、何の嵐を持ってくることやら。