まるでゴーストタウン
実家が以前、住んでた場所へ行って見ました。私の実家は、元々母方の伯父の家で、両親が結婚した時、父の田舎は青森のほうでしたので、父が大伯父から安く買い取ったものでした。その後、何度か、改築したり、増築したり、父が転勤が多かったので、その間貸したり、として、父が最初の仕事の定年後は、その家で住んでました。その家から、兄弟みんなそれぞれの旅立ちがあって、私もその家から花嫁姿で出たのです。結婚式当日、自宅着付けだったので、異常に忙しかったことだけしっかり覚えてます。私が結婚して、3ヵ月後に高速道の建設に伴い、立ち退き対象となってることが判り、近所の人は大方が、立ち退き拒否の姿勢でいらしたようですが、父は2,3度話し合って、補償金もこの程度でしょうと言って早々に立ち退きを決め、母方の祖母が持っていた借家の一つを買い取り、現在の場所へ引っ越してきました。以前の場所からすると、郊外の住宅地にはなりましたが、近辺に商店も多く、また大型スーパーもあり、以前の家と違って、祖母から買い取った時、すでに祖母がバリアフリーに改装してたので、年老いた両親にも住みやすい家ですし、以前より庭が広くなったこと、ちょっとした畑があることが、結果的にもよかったのです。それはさておき、以前の実家のあった場所へ、姉と母と3人で行って見ました。反対してた人たちも大方が立退き、高速道建設と供用開始予定の書かれた大きな看板が立てられてました。絶対反対の立て札を立ててる家もありましたが、人が住んでる気配のない家も多く、ただ立て札だけが残されてるような場所もありました。我が家のあった家の付近は、1軒の家だけをのこして、家はなくなってました。うちの家も無くなってました。1軒残ってる家は、確か現在はご夫婦二人暮らしのはず。うちと一緒で、子供さん達は高校卒業後、進学と共にみんな家を出られて夫婦二人になったとき、奥さんが淋しいものだと、うちの母にこぼしてたのを聞いた覚えがあります。うちが引っ越す時、手伝いに行った際、その家の奥さんが「ここにはもういたくないのだけど・・・」と淋しそうに呟いたのを思い出しました。その奥さんのいる家が1軒だけ残ってる、なんだか余計侘しい雰囲気漂ってました。家の取り壊された跡地は、草が生え、所々、外壁が残った状態で、人があまり通らなくなった路地は両脇に草が生い茂り、まるでゴーストタウンだね、と言いながら、車に戻ったら、工事担当者の人でしょうか、測量のようなことをされてました。その人たちに、あの家はまだ人が住んでるのか?と尋ねたら、今度の週末には転居される予定、奥さんは早くに子供さんのところへ行ったけど、ご主人が一人で反対だった動かなかったけど、先日具合悪くなって、子供さんに引き取られることになって、という話でした。新しい道のできる土地だから、皆さんそれぞれの道へ進まれたのだろうね、と、話したものでした