テーマ:ワイン大好き!(30820)
カテゴリ:ワインイベントに参加しました
当ブログのカテゴリーにある南アフリカワインのページ、中々数が増えていません。興味のある産地ではあるのですが、意外とワインが身近で手に入らないことや、ワイン会ではついより入手しにくい日本ワインやオーストリーワインを使う事が多くなっている言が原因です。
もっと飲んでみたいなと思っておりましたところ、表題のセミナーが開催されるという事で、これはいい機会だとお邪魔させて頂きました。 セミナーでは、KWVのマーケティング担当の方と醸造責任者の方が南アフリカのワイン作りについて、KWVのワイン作りについてと二つのことをお話し下さりました。 印象的だったこととしましては、先ず、南アフリカについてですと、 ・ワイン作りの歴史は350年前に遡り、ニューワールドにおいては、長さでいえばチリに次いで2番目であること ・メジャーな産地としてはコンスタンシア、パール、ステレンボッシュ、ロバートソンといったエリアがあるが、それらはすべて南端、喜望峰に近い辺りに集中しているということ ・アパルトヘイト以前はワインの輸出はもちろん、ワイン作りの技術の輸入も制限されていたが、その後急速な発展を遂げている、一方で、ワイナリーはブティックワイナリーが多いこと ・オリジナル品種といえるピノ・タージュは1925年に南アで生まれた。かけ合わせられたピノ・ノワールとサンソーのうち、サンソーがエルミタージュと呼ばれていたため、ピノ・タージュと名付けられたこと といったことです。 次に、KWVについてですと、 ・元々は農協だったが、その設立目的は供給過多になっていたワイン用ブドウを購入し農家の安定を図ることだったこと ・KWVは独禁法に引っかかるので、南ア国内では7年前まで販売禁止だったこと ・実はワインに負けず劣らずブランデーでも有名であるということ ・少し前までは樽を効かせたスタイルだったが、テロワール主義を受け入れ、今ではブドウ作りにそれまで以上に力を入れており、契約農家とは長期契約(中には数十年にわたって)をし、ワイナリーの栽培責任者が栽培や収穫のアドヴァイスまでしていること ・収穫期は、日中気温は38度くらいになるが夜間気温は18度くらいにしかならないため、ナイトハーヴェストを実施していること 等があります。特に、ワイン作りの歴史がかなり古いことや、南端の冷涼なエリアに産地が固まっていること、実はブランデーの有名メーカーであることなどには驚きました。今回はワインのみ試飲させて頂きましたが、ブランデーも試してみたいものです。 セミナーでは、泡1種、白2種、赤3種のワインを試飲させていただきました。因みに、今回はKWVのフラッグシップともいえるカセドラル・セラーシリーズと、トップレンジのペロードになります。 スパークリング・ブリュットは今回最大の驚き。ブリオッシュやバター系のニュアンスがここまでよく出ている泡はシャンパーニュ以外では初めてです。価格は当然シャンパーニュの半額程度。確かにややこってりはしますが、ボリュームのあるスパークリングを探しているならこのコストパフォーマンスは無視すべきではありません。ヴィンテージは2010でした。 セパージュはシャルドネ78%、ピノ・ノワール22%。 ソーヴィニヨンブランは明るい酸が印象的なフレッシュ系。新世界らしいトロピカルフルーツやパッションフルーツ系の雰囲気がありつつも、ニュージーランドよりは優しい感じ。KWVは、SBについては早飲みしてなんぼ、という考えだそうでこちらも樽はかけず5年以内で飲んでもらう事を意図しているのだとか。ヴィンテージも2012と若かったです。 一方、シャルドネに関しては、93%を9か月のオーク樽熟成しています。ブドウは5か所の畑のものをワインにし、ブレンドしています。シャブリとボーヌの中間をイメージしているという事ですが、ナッツっぽさやクリームっぽさに加えて白桃などの雰囲気もありました。飲んだ時のボリューム感も割とアリ。こちらも2012ヴィンテージ。 赤は先ずピノタージュから。ココアっぽさや干しブドウ感がありますが、やはり特有のダシ系のニュアンスは感じます。味わいは、冷涼だったという2009ヴィンテージのものだったためもあるようですが、果実味もあるものの酸しっかりで、ミディアム、クリアーな印象でした。 続いてカベルネ・ソーヴィニヨン。こちらも2009。カシスや鉛筆の芯系のニュアンス狩り典型的なカベソー。生産者の方もボルドー的と話していました。味わいも、果実味より酸が勝るくらいの印象で、ちょっと意外な感じでした。 そして、トリはペロード。KWVの本拠地パールの山で栽培されるシラーズ100%のワインです。 その山では、標高250m位の場所でシラーズがよく作られるそうですが、パールは暖かい土地でもあります。このワインのシラーズは標高600mという高地で栽培されており、250m地点とは気温が3~4度違うためよりゆっくり熟すという利点があるそうです。 ダークチェリーや赤ベリーのジャムといったニュアンスが出ていますが、今回の2006ヴィンテージは今の醸造責任者の方の前の方のワインで樽を結構かけたそうで、確かにココナッツやバニラ、トーストのニュアンスがありました。ただ、味は流石に結構酸があり、果実味と拮抗しておりバランス良。どちらも量が多いです。フルボディでスケール感ありました。 今回非常にいい経験となりました。いいとは思っていましたが、カベルネソーヴィニヨンの落ち着きやソーヴィニヨン・ブランの新世界的ながら繊細さもあるバランス、そして、スパークリングの完成度などやはり驚きでした。ちょっと南アを飲む会でもやってみないといけませんね。 にほんブログ村 「ワインモア」でこの記事をチェック! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014年04月26日 22時40分58秒
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