今年の1月にはグレープシップの松井さんを招いてのワイン会がありました
倉敷のワインイベントで何度かお会いさせていただき、ワイナリー開業後にはワインもいくつか購入させていただいた、倉敷市船穂のグレープシップさん。そのグレープシップのヴィニュロン、松井さんを岡山市の和洋旬菜だいにんぐ五感さんへお招きしてのワインメーカーズディナーが、グレープシップさんと取引のある自然派ワインのお店プレヴナンさんの主催で、今年の1月20日に開催されましたので、お邪魔してきました。ご用意いただいたのは、松井さんのワイン4種と、赤がないということでプレヴナンさんのフランス・ラングドックのシラー1種です。1,グレープシップ 朱2022まずは、倉敷のイベントでも何度かいただいた朱から。微発泡ロゼということですが、色は結構鮮やか。アレキ75%、シラー20%、グルナッシュ5%というセパージュで、アレキのらしいブドウの香りの中にも赤いベリーの気配がしっかり。味わいも、豊かな酸のライトボディですがどこか骨格のあるものでした。2、グレープシップ melow・ブルーラベル2021続いては、グレープシップさんといえばのmellowです。ブルーラベルは全国発売用ですね。他に、イエローラベルという県内用のものもあります。使用品種はアレキ100%。色はしっかり黄色。麦わら系ですが、濁りがあることもあってはっきり色合いを感じられます。香りはらしいマスカット香。味わいはしっかり辛口、というか酸味がバシッとインパクトのあるものなのですが、これだけドライなアレキのワインで、ここまで綺麗にらしい香りを感じられるワインというのも驚きです。その他ハーブっぽさややはり酵母系のニュアンスなども。3,グレープシップ 颯2021こちらは、50%がアレキ、そこにソーヴィニヨン・ブラン、マルサンヌが各20%、シュナンブランが10%というセパージュ。近年、岡山でも夏のゲリラ豪雨が増え、このワインの海外品種3種も雨にやられ裂果が発生するなど、収穫を早めなければならなかったそう。それをアレキと合わせることで爽やかなワインに仕上げています。色はやはり濁りのある黄色ですが、mellowよりは濃さがあり麦わらという感じではありませんね。香りやはりマスカット香がよく出ているのですが、その中にトロピカルな気配が潜むのは使用品種の影響でしょうか。味わいも、もちろんアレキらしい派手な酸がバシッと来ますが、より果実味が、柔らかいものながらも感じられたように思います。4,グレープシップ Ripe2019こちらは2019ヴィンテージということで、ラ・グランド・コリーヌへの委託醸造時代のものです。ソーヴィニヨン・ブラン70%、シュナンブラン30%。1年半小樽で酸化熟成させているそうで、色もがっつり黄金系。出来てすぐはかなり樽香も強く味のインパクトもあったそうですが、松井さんはそう言ったワインがお好みではない(何なら度数も10%要らないくらいだそう)ということで、落ち着くまで寝かせてからのリリースとなりました。はちみつやミード、紅茶系のニュアンスに、シェリーっぽさもあったでしょうか。味わいは、果実味の強さからくる「濃い」ワインではありませんが、エキス分がありタフさ、量感を感じました。5,ドメーヌ・マダ レッド2020メインが牛肉ということで、プレヴナンさんがご用意くださったのはラングドックのシラー。しっかりした色合いに、スパイスやブラックベリー系の気配が出つつも、青ベリーや赤ベリー、ちょっと酵母っぽさなどが加わり、味わいも果実味やタンニンはありますが、明るい酸があり、しなやかさを感じるのはなるほどといったところでした。【ラングドック地方 フランス】 ドメーヌ・マダ レッド '16 自然派ワイン 赤ワイン松井さんは岡山の海辺のご出身、もともとは海洋民族だったそうで、グレープシップというワイナリー名にされたそう。料理人をされていたこと、渡仏して大岡さんからワインづくりを学ばれたことなど、色々お話しいただけました。中でも印象的だったのは、今回のRipeもそうですが、飲み頃でワインをリリースしたい、そのために、自社でワインを寝かせておけるだけの資金力が必要というところ。やはり、在庫を抱え続けるというのは大変なことですが、そうやって飲み頃でリリースしていただけるのは飲み手としては本当に嬉しいところです。生食用ブドウも手掛けておられ、中でもアレキについては、岡山のブドウ畑がシャインマスカットへの転向が相次いでいることもあり、県内でも生産量3位4位くらいなのだとか。そして、その売り上げは飲み頃までワインを保管することなど、経営面での大きな力になっているとのお話でした。今回のお料理です。アミューズは新見産チョウザメの自家製燻製、ジャガイモのブリニ添えです。新見市はワイナリーでも有名ですが、チョウザメを育てキャビアづくりをしていることでも有名だったり。こちらは、そんなチョウザメの身を燻製にしています。朱とも燻製香と味のしっかりした身のおかげで悪くないですし、mellowとはサッパリビール的に合わせられましたね。前菜は北木島産橙と真鱈のロンデル、フレッシュハーブとともに。真鱈のあっさりした味わいに、橙の風味、ハーブの風味が爽やかです。これはまさにmellowと合わせるお料理。ワインのマスカット香、その奥のハーブ香と橙やハーブの香りがなじみます。また、颯も中々いい相性。香りの奥のトロピカルさを橙が引き出しますし、ワインのコクと魚の味わいも馴染みますね。続いては温前菜。豚レバー鉄板焼きと有機ニンジンのシェリーヴィネガー風味です。五感さんは鉄板焼きも名物ですレバーながらやさしい味わいで、旨味を良く感じられましたし、人参もいいつまみになりました。これにはRipeを合わせましたが、レバーとはまずまず、ワインに力はありますが、流石に肉の旨味を向こうに回すと引き立てる側ですね。一方、人参の甘味や酸味にはばっちり。メインは経産牛のブルギニョン。肉には間違いなく赤でしたが、乗っているごぼうとは実はRipeが結構好相性。味の濃さとしてはレバーより濃かったように思うのですが、その辺の組み合わせの妙も面白いところでした。デザートは里芋のクレメンダンジュどのお料理もおいしかったですが、このデザートは出色でした。里芋の風味と甘い香り味わいがこんなに合うとは思いませんでした。こちらは颯。実は、別のワインが用意される予定だったそうですが、こちらのワインが面白いとギリギリでの変更になったそう。実は、個人的には一番好きだったワインです。左から颯、Ripe、mellowです。色合いが全て明確に違いますが、濁りのある自社醸造ものとクリアーなRipeはまさに別物ですね。今回のワインですが、ドメーヌ・マダのものはありません。右から朱、mellow、颯、Ripe。にほんブログ村