テーマ:ワイン大好き!(30782)
カテゴリ:オーストリーワイン
先日の倉敷ピノ・ノワール会のワイン、新世界が続きましたが今回のものは欧州のワインになります。といいましても、ワイナリー自体はそこまで古いものではありませんが。 ピノ・ノワール2007。生産者ハインリッヒは、オーストリア東部、ハンガリーとの国境に近いノイジードラーゼー地区の北部にある、ゴルスと言う村のワイナリーです。創業は1930年で、現在は2代目。当初1haだった畑は現在100haにもなります。ノイジードラーゼーは今でこそオーストリアにおける赤ワインの一大産地の一つですが、昔は白や貴腐ワインが中心でした。その土地で最初に大規模に赤ワインを作り始めたのが、このハインリッヒだったりするそうです。2006年からはビオディナミも実践しています。 価格は3500円程度ですが、楽天内でも売り切れてしまったようです。実は、このワイン5年前に飲んでいたりします。 色はやや暗めのガーネット。10年の熟成を感じさせる色合いです。 香りは、開けたては閉じています。開けたてではかなり弱かったので、これはもうダメなのかなとさえ思いましたが、時間とともにぐんぐん開いてきました。要素としては、黒糖や黒蜜、それにブラウンマッシュルームや黒トリュフ、さらには落ち葉や茶色いスパイスなど、黒~茶色いニュアンスがよく出ていました。フルーツっぽさも勿論ありますが、クランベリーやラズベリー等の赤ベリー、チェリーなどのドライフルーツ感が強かったかなと。また、ドライトマトっぽさも少々。その他、微かな紫の花やヨードのような雰囲気もあったでしょうか。 味わいはやっぱり開けたては閉じており、印象が増すのは香りが開いてからです。ただ、基本繊細さのあるバランス型のニュートラルなもので、しっとりした酸と果実味、というより熟成の甘みと言った方がいいようなものが拮抗して感じられました。ボディはミディアムで、タンニンや渋みも溶け込んでいる感じ。滑らかで程々の密度のあるものでした。 会では、ハラミやセセリ、鴨の辺りで飲みました。 ハラミに対しては、焼けた香ばしさとタレの香りとワインの香りの相性は中々でしたが、やはり味わい的には肉が勝る感じでしたね。 セセリについては、脂が少なく身の旨みの強い味わい、さらにタレという事で、ワインの繊細な味わいとも調和を見せてくれますし、香りの面の相性もハラミ同様いいものがありました。また、肉も柔らかな繊維質と言う事で、穏やかなワインの質感が映えます。 また、鴨はやはり間違いなく、肉の食感が強くワインの質感の印象こそ弱まるものの、ワインの持つ複雑な黒さのある香りと肉の香りががっちり噛み合いますし、ワインの熟成の甘みと言うべき味わいと鴨の滋味深い旨み、岩塩の味わいが、香りのおかげもあるでしょうが一体感を持って感じられました。 5年前に飲んだ時とはかなり印象が違います。今回のものははっきり熟成したワインと言える状態だったのではないかと思います。 開けたてこそ驚かされましたが、時間経過とともに出てきたその香りや味わいは独特の魅力をたたえており、今回のワインの中でも一つ異彩を放つものだったかなと。しみじみと美味しい、いいワインでした。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年12月23日 22時30分05秒
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