テーマ:ワイン大好き!(30782)
カテゴリ:ワインイベントに参加しました
兵庫県の西宮、阪急西宮北口駅にありますカーヴ・ド・テールさん。様々なワインを扱われていますが、兵庫県には老舗インポーターのAWAさんもあるということでオーストリーワインの扱いは多くなっています。 そんなカーヴ・ド・テール西宮北口店に、オーストリーの歴史あるワイナリー、シュロス・ゴベルスブルクから生産者が来場され、ワインセミナーが開催されました。 これは非常に貴重な機会という事で、岡山からお邪魔させていただきました。 来場されたのは、なんとワイナリーオーナーであるミヒャエル・モースブルッガー氏。シュロス・ゴベルスブルクは1171年には設立されていた大変古いワイナリーで、元々はやはり修道院の始めたものでした。実は、現在も所有者はシトー派の修道院なのですが、モースブルッガー氏が1996年に、ワイナリーや畑は勿論、その他の穀物の畑や家畜などを丸ごと60年リースで借りて運営しています。 まずは、オーストリーにおけるワイン造りの歴史のお話からでした。3000年前のケルト人時代からワイン造りが行われている事、中世の頃、ドイツやフランスに先駆け修道院が出来、その修道士たちがワイン産地に適した場所を調べ、彼らは読み書きができたことからそのデータの蓄積があり、結果ワイン産地として繁栄したことなどを伺えました。 その後はオーストリーにおける現在のワイン造りについて。オーストリーの現在のワイン産地がウィーンやシュタイヤーマルクを含めて国土の東寄りなのは、それ以外の地域がアルプスでブドウ栽培には厳しい事、ノイジードル湖周辺やドナウ川北部辺りの産地が古い事、カンプタールなどオーストリーの産地によくある「タール」は峡谷の事で、カンプタールなら「カンプ川峡谷」という意味になることなどをお話しいただきました。 印象的だったのは、カンプタール辺りでは2つのタイプの畑のエリアがあり、1つは斜面に出来たテラス状の土地で、ここは乾いてリースリング向きであり、もう1つはレス(黄土)の広がる平地で、水の供給がよくグリューナー・フェルトリナー向きである、というお話。 この2つの品種は、それぞれオーストリーの白ワインを代表するものかと思いますが、それが全く逆のタイプであるということは驚きでした。 その他、オーストリーにおけるワインの格付けは地域名、村名、単一畑名の3種であり、単一畑はオーストリー全土で4000程度あることを、シュロス・ゴベルスブルクとモースブルッガー氏が中心となって調べ、それをさらにリード、プルミエクリュ、グランクリュの3つに更に分けたこと、その4000の中の81の畑を格付けしたことなども伺えました。 因みに、そのリード、プルミエ、グランの格付けにつきましても、モースブルッガー氏が中心となって行われたそう! 勿論テイスティングもあり。上記のお話を伺いながら、 シュロスケラライ・ゴベルスブルク グリューナー・フェルトリナー2017、 シュロスケラライ・ゴベルスブルク ウルゲンシュタイン・リースリング2017、 シュロス・ゴベルスブルク トラディション・リースリング2017、 シュロス・ゴベルスブルク ピノ・ノワール・レゼルヴ2016 の4種類のワインをいただきました。 この内、グリューナーは購入してワイン会で飲みましたので、その記事の際に個別記事にして、他の3つにつきましてはこの後個別記事にしたいと思います。 トラディション・リースリングは実はちょっと特殊な造り方をしています。モースブルッガー氏は、若手醸造家にワイン作りを指導するような立場でいらっしゃり、様々なワインの製法を学ばれています。 その中で、モダンな、フルーティさとアロマの良さを追求する造りではなく、200年前に行われていた、ワインを人のように育てる、例えば呼吸させる=醸造過程で酸素に触れさせるような造りをやってみたいと考えられ、それを実行に移したものだそうです。確かに、あくまでオーストリーらしいキレイさがありつつも、どこか個性や複雑さのあるものだったように思います。 セミナー&テイスティング終了後はカーヴ・ド・テールさんのシュロス・ゴベルスブルクコーナーでグリューナーを購入、更にモースブルッガー氏とも色々お話させていただきました。 やはり、樽熟成を行う際はオーストリアンオークに拘っておられるという話も、印象的だったものの一つです。200年前の製法についてもう少し突っ込んで聞いてみたかったのですが、他の参加者の方もいらっしゃったので私が独占するわけにもいかず断念。またの機会がぜひ欲しいものですが…現地へ行かないと難しいでしょうか^^; ともあれ、素晴らしい機会となりました。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年11月28日 22時18分09秒
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